フィリピンは経済的に成長が著しく、大きな潜在市場を持つ国です。実際の所、フィリピンは約一億人の人口を抱えており、大きな消費市場を形成しています。更に若者の人口比率が高く労働力が豊富です。
この様にビジネスを始めるにあたって素晴らしい環境が整っているフィリピンですが、現地でビジネスを展開する為には、フィリピンに関する最低限の知識は押さえておくべきでしょう。
この記事では、フィリピンでのビジネス展開に成功するために必要な知識とポイントを解説します。
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フィリピンに関する情報
それでは、フィリピンに関する情報を詳しく見ていきましょう。
- 人口:約1億人以上
- 首都:マニラ
- 公用語:フィリピノ(フィリピン語)と英語
- GDP:約3,820億ドル(2020年)
- 通貨:フィリピンペソ(PHP)
- 地理的位置:東南アジアに位置し、太平洋に面している。
- 経済:BPO産業、製造業、農業が主要。成長が著しく、送金や輸出入も重要な経済活動。
- 政権:フィリピンでは大統領制が採用されており、2022年にはロドリゴ・ドゥテルテ大統領が就任。
- 有名な観光名所:ボラカイ島、エルニド、チョコレートヒルズ、インタモロス、マニラオーシャンパーク、バナウェの棚田等。
フィリピンは人口規模や成長性で魅力的ですが、治安・汚職・インフラ不足といったリスクが進出時の課題となります。規制対応や現地文化への適応が成功の鍵です。

フィリピンでビジネスを始める方法と留意点
市場調査とニーズの特定
フィリピンでビジネスを始める前に、市場調査とニーズの特定を行うことが重要です。
外国籍の企業がフィリピンで成功した事業例として、オンライン旅行予約サイト「Agoda」を挙げます。フィリピンは観光業が盛んであり、国内外から多くの観光客が訪れます。「Agoda」は、現地のホテルや観光施設と提携し、簡便な予約手続きや現地情報を提供することで需要を喚起しました。
法的要件と規制の理解:
フィリピンでビジネスを展開する際には、現地の法的要件と規制を遵守することが不可欠です。現地のビジネス登記手続きや税制、労働法などについて詳しく調査しましょう。また、現地のビジネスコンサルタントや法律事務所のサポートを利用することもおすすめです。
例えば、ビジネスを開始する前に、フィリピン証券取引委員会(SEC)に法的登録を行う必要があります。会社形態に応じて、企業登録書類の提出が必要です。
パートナーシップとネットワーキング:
フィリピンでのビジネス展開においては、現地のパートナーシップやネットワーキングが非常に重要です。現地のビジネスパートナーや地元のビジネスコミュニティとの関係構築を通じて、市場洞察やビジネスのノウハウを得ることができます。
また、現地の展示会やビジネスイベントに参加することも新しいビジネス機会を見つけるために役立ちます。例えば、外国籍の飲食店経営者がフィリピンで成功するためには、現地の食材供給業者や料理人とのパートナーシップが重要です。
地元の食材や伝統的な料理を調査し、現地の嗜好を理解することで、現地の顧客にアピールすることができます。
資金調達と金融サービス:
フィリピンでビジネスを始めるには、資金調達の計画も必要です。現地の銀行や金融機関と協力し、適切な資金調達方法を探りましょう。さらに、フィリピン政府や国際機関が提供する助成金や補助金プログラムも活用することができるかもしれません。
以下は一部のプログラムの例です。具体的な詳細や要件については、フィリピン政府機関や投資促進機関への問い合わせや調査が必要です。
- BOI (Board of Investments)
フィリピン投資振興庁(BOI)は、外国企業に対して投資優遇措置や税制上の特典を提供するプログラムを実施しています。特定の業種において優遇されることがあります。 - PEZA (Philippine Economic Zone Authority)
PEZAは経済特区を設定し、外国企業に対して税制上の優遇や労働許可の簡素化などの特典を提供しています。 - DTI (Department of Trade and Industry)
DTIは、フィリピン国内でのビジネス展開を支援するための様々なプログラムを実施しています。これには、新規事業開始のための補助金や資金調達プログラム、市場調査やビジネスプランのサポートなどが含まれます。 - DTI Export Marketing Bureau
輸出を促進するための支援を行っており、外国企業に対して輸出補助金や輸出プロモーションの支援などを提供しています。 - TIEZA (Tourism Infrastructure and Enterprise Zone Authority)
観光関連の事業に特化した助成金や補助金プログラムがあります。例えば、観光施設やホテルの建設に対する優遇策やインセンティブを提供しています。

まとめ
確かにフィリピンは治安問題や腐敗問題、インフラ整備が不十分である問題を抱えており、ビジネスを始める際の懸念点は多々あります。
一方で、これまでに述べた様に、フィリピン政府主導で輸出入を促進する制度が整えられている他、労働人口や消費者人口が多い事から、比較的参入し易く、事業規模を拡大しやすい環境であると言えるのではないでしょうか。