ナイジェリア貿易・輸出の基礎知識(概況や基礎統計)

 

目次

    ナイジェリアはアフリカ最大の経済大国であり、輸出入の機会が豊富に存在しています。輸出の主要品目は原油や石油製品ですが、農業製品や鉱物も重要な分野です。輸出市場はアメリカやヨーロッパ、アジアが主要なパートナーです。貿易を行う際には関税や規制が存在するため、正確な情報を確認することが重要です。また、ナイジェリアはビジネス環境が困難な国の一つとされているため、リスクマネジメントも重要です。ナイジェリアとの取引を成功させるためには、適切なリサーチ、現地のビジネス文化や法律に精通し、信頼できるパートナーを見つけることが不可欠です。

    アフリカ最大の経済国ナイジェリアとはどんな国?

    ナイジェリアは、アフリカ西岸に位置する国で巨大産油国です。主要民族であるハウサ、ヨルバ、イボ族を含め国内に250以上民族が存在しています。人口・名目GDP共にアフリカ第一位を誇る経済大国で、その経済力から「アフリカの巨人」とも言われています。

    基礎データ

    ・正式名称:ナイジェリア連邦共和国 Federal Republic of Nigeria

    ・人口:2億1,674万人(2022年)

    ・面積:923,768㎢

    ・首都:アブジャ(1991年12月ラゴスから遷都)

    ・経済都市:ラゴス(ナイジェリア南西、アフリカ最大級)

    ・言語:英語(公用語)、ハウサ語、ヨルバ語、イボ語等

    ・民族:ハウサ、ヨルバ、イボ、その他250民族

    ・宗教:キリスト教(南東部)、イスラム教(北部)、伝統宗教(全土)

    ・主要産業:農業,原油,天然ガス通信等

    ・名目GDP総額:2022年 5105.88億ドル 世界31位、アフリカ1位

    ・1人当たり名目GDP:2022年 2,356ドル 世界146位、アフリカ24位

    アフリカ各国において急激な人口増加現象は珍しくないものの、ナイジェリアは特に顕著で、アフリカで最も人口が多い国です。その増加率は驚異的で、1日あたり約10,000人と言われているのです

    日本との貿易状況

    距離が遠い日本とナイジェリア間の貿易は活発で、輸出入量と品目は以下の通りです。

    ・日本の輸出額:2.87億ドル(2021年 財務省「貿易統計」)

     輸出品:乗用車、鉄鋼、人造繊維、魚介類

    ・日本の輸入額:7.59億ドル(2021年 財務省「貿易統計」)

     輸入品:液化天然ガス、ごま、アルミニウム・合金

    ・日本の主要輸出品目:輸送用機器(26.2%)、一般機械(16.0%)、原料別製品(14.3%)(外務省「海外進出日系企業拠点数調査(2020年調査結果)」)

    ・日本の主要輸入品目:液化天然ガス(69.1%)、非鉄金属(18.1%)、原料品(12.6%)(外務省「海外進出日系企業拠点数調査(2020年調査結果)」)

    現地で活動する日本人は少なく、進出日系企業拠点数は47、在留邦人は148人(2021年10月1日現在)です。

    ナイジェリアの商品輸出手続き

    ナイジェリアへの商品輸出入には、複雑な手続きと書類の準備が必要です。

    ナイジェリアの規格をクリアする必要があり、食品や医薬品等の認証は、NAFDAC(National Agency for Food and Drug Administration and Control)が担当します。国内製造でも輸入品でも、NAFDAC登録が必須です。NAFDAC認証の手続きは以下の通りです。

    ・申請書と必要書類の提出

    ・製品サンプルの送付と検査

    ・製造・輸入現場の実地検査

    ・サンプルの成分分析

    ・最終審査

    ・承認会議を経て、NAFDAC承認番号の取得

    ナイジェリアへの輸出のトレンド

    ナイジェリアへの輸出市場は近年、大きな変化を見せています。そのトレンドを分析することで、新たなビジネスチャンスを見いだすことが可能です。以下に主要なトレンドをいくつか挙げます。

    ・原油価格の影響: ここ数年、原油価格の低下がナイジェリア経済に大きな影響を与えています。このため、新たな産業分野への輸出が求められています。

    ・持続可能なエネルギー: ナイジェリア政府は、持続可能なエネルギーへの投資を促進しています。太陽光パネルや風力タービンなどの輸出が期待されています。

    ・農業分野: ナイジェリアは、食糧安全保障と農業の自給率向上を目指しています。高品質な農業機械や農業技術の輸出が成長しています。

    ・IT産業: 若年層のITリテラシーが高く、ナイジェリアはアフリカのシリコンバレーとも言われています。情報通信技術(ICT)関連の製品やサービスの輸出が拡大しています。

    ・医療・健康分野: 医療機器や薬品などの輸出が増えており、ナイジェリアの病院や診療所への設備投資が活発化しています。

    これらのトレンドを踏まえ、ナイジェリアへの輸出ビジネスを展開する際に、適切な戦略を立てることが重要です。タイムリーに市場の変化を把握し、競争力のある製品やサービスを提供することで成功につながります。

    ナイジェリア貿易・輸出の基本情報まとめ

    今回の記事では、アフリカ大陸で最もエネルギッシュな経済を持つ巨大国「ナイジェリア」の貿易・輸出に関する概況や基本データをまとめました。位置的には日本から約13,000キロメートルも離れている遠い国ですが、輸出入のパートナーや投資のターゲットとして非常に大きな潜在性を秘めています。

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    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。