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日本とベトナムの貿易関係は活発で、相互に重要な貿易パートナーです。日本はベトナムにとって主要な輸入国であり、ベトナムは日本向けに主要な輸出品を提供しています。電子機器、自動車部品、繊維製品などが主要な貿易品目で、両国間の貿易額は増加傾向にあります。また、両国は経済連携協定(EPA)を締結し、貿易関係を一層強化しています。
本記事では、ベトナムの最新貿易事情やベトナムの貿易品目、貿易相手国、ベトナムと日本の貿易関係、ベトナム貿易のメリット・デメリットについて深掘りしていきます。
ベトナム貿易・輸出の最新情報(2023年1~6月)
輸出入額
ベトナム税関総局によれば、2023年上半期(1~6月)の輸出額は1,646億8,090万ドルで、前年同期比で12.0%減少しました。輸入額は1,518億3,733万ドルで、18.4%減少しました。その結果、貿易収支は黒字で、128億4,357万ドルとなりました。輸出入双方が前年同期を大きく下回り、国外市場の不振が顕著となりました。
輸出入地域
各主要国・地域別に見ると、輸出額において1位は米国で、444億2,130万ドルとなりましたが、前年同期比で22.1%減少しました。特に主力輸出製品である電話機・同部品、縫製品、機械設備の需要が大きく減少しました。2位は中国で、259億2,851万ドル(1.0%減少)、3位は日本で、110億6,186万ドル(2.9%減少)となりました。
輸入額においても、1位は中国で、496億4,833万ドルとなりましたが、前年同期比で19.5%減少しました。2位は韓国で、242億4,542万ドル(25.7%減少)、3位は日本で、101億9,708万ドル(15.4%減少)となりました。上位国からの輸入が一斉に減少した中で、特に中国ではコンピュータ電子製品と機械設備の需要が大きく減少しました。
輸出入品目
主要な品目別に対世界輸出を分析すると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は電話機・同部品、3位は機械設備・同部品でした。
コンピュータ電子製品・同部品の輸出は比較的小幅な減少にとどまりましたが、スマートフォンや消費財(衣服など)、木材・木製品、水産品など、多くの一次産品も含む電話機関連製品まで、幅広いカテゴリで大幅な減少が見られました。
一方、輸入においては、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は機械設備・同部品、3位は織布・生地でした。
ベトナムの主要な貿易パターンは原材料や半製品の輸入とそれらを加工して製品を輸出する加工貿易に基づいています。一部の企業からは、輸出向けの注文が回復せず、輸出需要の減少が輸入の大幅減少につながっているとの声も聞かれています。
ベトナムの主な貿易品目
これまでベトナムの貿易の最新情報や動向を見てきましたが、全体の貿易品目にはどのようなものがあるのでしょうか。ベトナムの貿易品目は、コンピュータ電子製品・同部品、電話機・同部品などが挙げられます。輸出入別の詳細については、以下で見てみましょう。
輸出
ベトナムの主要輸出品目についてみると、電話機・同部品(15.6%)、コンピュータ電子製品・同部品(14.9%)、機械設備・同部品(12.3%)、縫製品(10.1%)、履物(6.4%)などが挙げられます。
輸入
一方、ベトナムの主要輸入品は、コンピュータ電子製品・同部品(22.8%)、機械設備・同部品(12.6%)、電話機・同部品(5.9%)、織布・生地(4.1%)、プラスチック原料(3.4%)などが挙げられます。
ベトナムの主な貿易相手国
これまでベトナムの主な貿易品目に関して見てきましたが、ベトナムの貿易相手国はどのような国があるのでしょうか。主な貿易相手国は、皆様のご想像の通り、アメリカや中国などが挙げられます。詳細については、以下で見てみましょう。
輸出
ベトナムの主な輸出相手国は、アメリカ(29.4%)、中国(15.6%)、韓国(6.5%)、日本(6.5%)、香港(2.9%)などが挙げられます。日本は第4位に位置し、ベトナムにとって重要な貿易パートナーであることが分かります。
輸入
ベトナムの主な輸入相手国は、中国(33%)、韓国(17.3%)、日本(6.5%)、台湾(6.3%)、アメリカ(4%)などが挙げられます。日本は全体の6.5%を占め、第3位の輸入相手国です。
日本とベトナムの貿易について
日本はベトナムの最も重要な貿易相手国の一つであり、日本とベトナムとの貿易は絶えることなく維持されており、高い成長率を示しています。日越貿易・投資は相互補足的かつ補完的な活動であると評価され、両国の競争上の利益の最適化に寄与していると分析できます。
日本とベトナムの貿易額
日本とベトナムの貿易額は、どのような現状なのでしょうか。以下は、2021年のデータです。
・ベトナム → 日本 約201億3,000万ドル(前年比4.4%増)
・日本 → ベトナム 約226億5,000万ドル(前年比11.3%増)
・日本 – ベトナム間の貿易額 約427億ドル
10億ドル以上の輸出額(ベトナム → 日本)を持つ主要な品目は、縫製品(32億3,000万ドル)、機械設備とその部品(25億6,000万ドル)、輸送機器とその部品(24億7,000万ドル)、木材と木製品(14億4,000万ドル)、水産物(13億3,000万ドル)の5つでした。
また、10億ドル以上の輸入額(日本 → ベトナム)を記録した品目は、コンピュータ、電子製品、およびその部品(62億2,000万ドル)、機械、装置、工具、および予備部品(44億5,000万ドル)、鉄鋼(17億3,000万ドル)、鉄鋼スクラップ(10億ドル超)の4つの品目でした。
主な貿易品目(ベトナム→日本)
ベトナムの対日輸出品(ベトナム→日本)として挙げられるのは、縫製品、機械設備・同部品、輸送機器・同部品、木材・木製品、水産物などです。
主な貿易品目(日本→ベトナム)
ベトナムの対日輸入品(日本→ベトナム)として挙げられるのは、コンピュータ電子製品・同部品、機械設備・同部品、鉄鋼、自動車部品、プラスチック製品、織布・生地などです。
ベトナム貿易のメリット
ベトナムへの輸出において、日本企業には多くのメリットが存在します。ここでは、ベトナムへ輸出する日本企業が享受できる主な利点について詳しく解説していきます。
①人口の増加
まず最初に言及すべきことは、近年ベトナムが急速に発展を遂げている新興国であると同時に人口も増加していることです。
このことから、市場規模はどんどん拡大し、多くの製品やサービスに対する需要が高まりつつあります。これに伴い、日本企業にとって新たなビジネスチャンスが広がっており、新規市場進出の好機が訪れていると言えます。
②少ない時差
第二に、ベトナムは日本とのタイムゾーンが驚くほど近いことから、ビジネスの進行がスムーズに遂行されることが見込まれます。この結果として、日本の企業はより効率的なコミュニケーションの実現が可能となり、さらなるビジネスの拡大と成長を実現することができると考えられます。
③安価な労働力
第三の要素として、ベトナムには豊富な労働力が存在し、賃金水準も比較的低いという特徴があります。
このため、生産コストの軽減が実現でき、日本企業は競争力を保ちながら、輸出による利益を最大限に引き出すことが可能となります。こうした要素は、ベトナム進出をより魅力的とする理由です。
④歴史的背景
また、ベトナムは日本との関係が歴史的に良好であり、多くの日本企業が進出していることから、ビジネス環境も整っています。このため、ベトナムへの輸出を検討している日本企業は、安心してビジネスを展開できるでしょう。
⑤外国企業へのインセンティブ
さらに、ベトナム政府は外国企業に対して投資を促進するためのインセンティブを用意しています。これにより、日本企業がベトナムへの輸出によるリスクを低減しつつ、ビジネスの拡大を目指すことが可能です。
⑥地理的優位性
最後に、ベトナムはASEAN諸国の中心に位置しており、近隣諸国との物流がしやすい地理的なメリットがあります。これにより、日本企業はベトナムを拠点として、アジア地域全体への輸出を効率的に行うことができるでしょう。
ベトナム貿易の注意点
ベトナムへの輸出ビジネスは、近年急速に成長している市場であることから、多くの企業が注目しています。しかし、ベトナムへ輸出する際には、いくつかの注意点があります。ここでは、ベトナムへ輸出を検討している企業のために、その注意点を詳しく解説します。
①高い関税
まず、ベトナム政府の輸入規制と関税について理解することが重要です。ベトナムは関税が高い国の一つであり、特に繊維、自動車、電子機器などの分野では厳しい関税が課されています。これらの規制に適切に対応しないと、輸出ビジネスに悪影響を及ぼすことがあります。
②現地のパートナー
次に、現地でのビジネス環境に適応することが求められます。ベトナムの法律や商習慣は日本とは異なるため、現地のパートナー企業と連携することが重要です。
また、ベトナムでは、労働力や原材料のコストが比較的低いことから、効率的な生産を行うことができますが、品質管理や環境問題への取り組みが十分でない場合があります。そのため、品質管理や環境保護に関する指導やサポートが必要になる場合があります。
③変化する消費者市場
また、ベトナムの消費者市場は急速に成長しており、消費者ニーズに対応した商品開発やマーケティング戦略が求められます。
特に若年層の消費者は、ブランド志向でファッションやデザインに敏感であり、価格だけでなく、商品のクオリティやデザインにもこだわりを持っています。そのため、ベトナム市場向けの商品開発やマーケティング戦略を練ることが重要です。
④言語的な障壁
最後に、ベトナムでは英語が広く使われていますが、ベトナム語でのコミュニケーションも求められることが多いです。そのため、現地スタッフや通訳を雇用するか、自社でベトナム語を習得することが望ましいです。
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