ブラジル貿易・輸出の基礎知識(2024年更新)

 

目次

    ブラジルは南米大陸で最大の面積を有し、世界第7位(約2億1,500万人)の人口を抱える民族国家です。また、BRICsと呼ばれる著しい経済成長の発展が見込まれる新興国の代表国の一つです。

    ブラジル経済省は、2021年(通年)の貿易収支(国際収支ベース)を2022年1月に発表しました。その発表によると、ブラジルは2021年の輸出が前年比34.2%増の2,808億1,500万ドル、輸入が38.2%増の2,194億800万ドルで、貿易収支は614億700万ドルの黒字となりました。

    統計を取り始めた1989年以降で、これは過去最高の黒字幅でした。新型コロナ感染拡大による影響から脱却する兆しを見せているといえます。

    本記事では、最新のブラジル貿易事情やブラジルの貿易品目、貿易相手国、日本とブラジルの貿易関係について深掘りしていきます。

    ブラジル貿易・輸出の最新情報(2024年更新)

    散乱したブラジルレアルの紙幣

    2023年6月のブラジル貿易・輸出事情

    開発商工サービス省(MDIC)経済省通商局(Secex)の発表によれば、今年6月の輸出総額前年同月比で8.1%減少し、30億ドルとなりました。一方、輸入総額は輸出の減少を大幅に上回り、18.2%減少して195億ドルとなりました。

    2023年1~6月のブラジル貿易・輸出事情

    今年上半期の累積輸入総額は、前年同期比で7.1%減少し、1,206億ドルとなりました。一方で、累積輸出総額1.3%微増の1,662億ドルと記録更新しました。経済省通商局(Secex)のHerlon Brandão次官は、輸出入ともに数量は過去最高を記録している一方で、コモディティ価格が下落していると説明しています。

    また、今年上半期の累積貿易収支455億ドルの黒字を計上し、1989年初めから統計を取り始めて以来、過去最高の貿易収支黒字を達成しました。また、今年のブラジルの貿易収支黒字は、過去最高を更新すると予想されています。

    今年上半期の輸出量は前年同期比で8.7%増加し、特に大豆、原油、鉄鉱石、粗糖、牛肉、および鶏肉が牽引しました。一方で、鉄鉱石、原油、大豆、石油の価格は減少しています。今年上半期の輸入量はマイナス3.1%、輸入金額もマイナス5.6%を記録しています。

    ブラジルの主な貿易品目

    集積されたカラフルなコンテナ貨物

    それでは、ブラジルの具体的な貿易状況について見ていきましょう。ブラジルと言えば、皆様は何を思い浮かべますか。最新情報を参考に、輸出入別に紹介していきます。

    輸出

    ブラジルの主要輸出品目のグラフ

    ブラジルの主要輸出品目は、大豆、原油、鉄鉱石、石油製品などとなっています。鉄鉱石や原油が主な品目としてあることから分かるように、ブラジルは資源大国でもあります。また、ブラジルは2019年度の大豆の生産量が全世界1位であり、ブラジルの代表的な輸出品の一つと言えます。

    輸入

    ブラジルの主要輸入品目のグラフ

    ブラジルの主要輸入品目は、石油製品原油、カリ肥料、複合肥料などとなっています。

     

    ブラジルの主な貿易相手国

    大きな地球儀

    これまでブラジルの主な貿易品目に関して見てきましたが、ブラジルの貿易相手国はどのような国があるのでしょうか。こちらも同じく、輸出入別に見ていきましょう。

    輸出

    ブラジルの主要輸出国のグラフ

    ブラジルの主な輸出相手国は、中国、アメリカ、アルゼンチン、オランダ、スペイン、チリ、シンガポール、メキシコ、日本などが挙げられます。全体のシェアのうち、中国が全体の約3割を、一方日本はわずか約0.2割です。

    輸入

    ブラジルの主要輸入国のグラフ

    ブラジルの主な輸入相手国は、中国アメリカアルゼンチンドイツインドロシア、イタリア、韓国、サウジアラビア、日本などが挙げられます。全体のシェアのうち、中国は約2割を占めていますが、日本は上位7カ国には入らず、シェアも輸出と同じく約0.2割です。

    日本ブラジル貿易について

    風になびくブラジル国旗

    日本とブラジル間の貿易はどのような現状なのでしょうか。

    2022年10月に、第23回日本ブラジル経済合同委員会が開催されました。この会合では、改めて両国間での貿易関係性の強化や環境分野などの取り組みに関して話し合われました。日本とブラジルは、互いの重要な貿易相手国であり、様々な産業分野での取引が行われています。特に、以下の点がその貿易関係の特徴といえます。

    ・日本はブラジルから鉄鉱石や大豆などの原材料を輸入しており、これらは日本の製造業や食品生産に必須

    ・ブラジルは日本から自動車や工作機械などの高度な技術製品を輸入しており、ブラジルの近代化やインフラ整備に貢献

    ・日本はブラジルに対してODA(政府開発援助)を行っており、経済成長や貧困削減に取り組むブラジルを支援

    このように、日本とブラジルは互いに補完的な貿易関係を築いており、今後も両国間の経済や技術交流が進むことが期待されています。また、世界的なサプライチェーンの多様化が求められる中、日本とブラジルの貿易関係は今後さらに重要性を増すでしょう。では、具体的な貿易額や貿易品目を見ていきましょう。

    日本ブラジル貿易額

    日本とブラジルの2022年の貿易額は以下の通りです。

    ・ブラジル → 日本  66.2億ドル

    ・日本 → ブラジル  53億ドル

    主な貿易品目(ブラジル→日本)

    ブラジルから日本への主要貿易品目のグラフ

    日本の対ブラジル輸入品として挙げられるのは、トウモロコシ、鉄鉱石、鶏肉、コーヒー豆、アルミニウム、大豆などです。

    主な貿易品目(日本→ブラジル)

    日本からブラジルへの主要貿易品目のグラフ

    日本の対ブラジル輸出品として挙げられるのは、自動車部品、自動車用エンジン部品、集積回路、複素環式化合物、自動調整機器などです。

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    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。