ウガンダ貿易・輸出の基礎知識(2025年更新)

アフリカで9番目に人口が密集していると言われるウガンダをご存知でしょうか。ウガンダはルワンダ、コンゴ民主共和国、ケニア、タンザニア、南スーダンの国境の境目に位置する東アフリカの国で人口が多いことでもよく知られています。

本記事ではそんなウガンダについての基礎知識、そして貿易と輸出について解説していきます。

ウガンダについての基礎知識

ウガンダは東アフリカに位置し、豊かな自然資源と若い人口構成を強みとして持ちます。民族・言語が多様である一方、英語・スワヒリ語を公用語として運用しているため、ビジネスコミュニケーションの障壁は比較的低い点が特徴です。

以下では、地理・人口・社会文化、および経済の概要を整理します。

項目内容
面積24.1万平方キロメートル
人口約4,800万人(2024年推定)
首都カンパラ(Kampala)
民族バガンダ族、ランゴ族、アチョリ族など
言語英語、スワヒリ語、ルガンダ語
通貨ウガンダ・シリング(UGX)
宗教キリスト教(約6割)、伝統宗教(約3割)、イスラム教(約1割)
政体共和制

①地理・人口・社会文化の特徴

ウガンダは赤道直下に位置していますが、標高が高いため気候は比較的温和で、農業生産に適しています。人口の半数以上が25歳以下という非常に若い年齢構造を持ち、都市部では英語とスワヒリ語が広く使われています。国内には40以上の民族が存在し、商習慣やコミュニケーションは地域ごとに異なるため、現地パートナーとの関係構築が重要です。

②主要産業と成長分野

ウガンダ経済の中核は農林水産業であり、コーヒー・紅茶・カカオ・魚介類などの輸出が外貨獲得の柱です。近年は建設業・製造業が拡大し、都市部ではフィンテック、モバイルマネー、物流・小売といったサービス産業が急成長しています。特にスマートフォン普及率の上昇が、デジタル商流の拡大を後押ししています。

③マクロ経済の推移と国家開発計画

ウガンダは1980年代後半まで内戦による混乱が続きましたが、1987年以降に世界銀行・IMFの支援を受けて構造調整を進め、マクロ経済は安定しました。その後は6〜7%台の比較的高い成長率を維持し、2010年以降は国家開発計画(NDP)に基づく「産業化による雇用創出」を政策の中心に据えています。
現在は第三次NDP(2020/21–2024/25)を実施中で、中所得国入りを目標に掲げています。

一人当たりGNI:780米ドル(2019年)/経済成長率:6.8%(2019年)/インフレ率:3.8%(2020年)と、東アフリカの中でも安定的な指標を維持しています。

ウガンダは若年人口と多様な産業基盤を持つ市場で、農業やデジタル領域を中心に成長が続いています。現地市場の構造や競争優位性を理解するうえで、アフリカのビジネスチャンスについては以下の記事をご覧ください。

次にウガンダ貿易・輸出について解説をしていきます。

ウガンダに輸出するメリット

日本企業がウガンダに輸出するメリットについて説明します。ウガンダはアフリカの東部に位置し、経済成長が続いている国のひとつです。日本企業がウガンダに輸出することによりさまざまなメリットがあります。

①経済成長に乗じた好機

ウガンダはその経済成長率が高く、まさに経済発展の波に乗るチャンスが溢れています。日本企業にとっては、この経済成長を利用したビジネスの可能性が広がり、新たな収益源を見出すことができるでしょう。

②未開拓市場への進出

ウガンダにおいては、日本企業がまだ完全には進出していない市場が存在します。そのため、競争相手が少なく、新規参入の障壁が低い状況です。これは、利益率の高いビジネスモデルを確立しやすいというメリットがあるでしょう。

③リスク分散の実現

グローバルに展開することにより、各国・地域とのビジネスリスクが分散される効果が期待できます。特定の市場への依存度を減らすことによって、企業の安定的な発展が達成できる可能性が高まります。

④ウガンダ政府との協力関係

ウガンダ政府は、海外企業に対して投資を歓迎する姿勢を示しており、一部の分野では税制面での優遇措置も提供しています。これらの政策のおかげで、ウガンダへの輸出ビジネスが日本企業にとって容易に進められるでしょう。

⑤地域貢献とブランド力向上

ウガンダの地域社会に対して日本製品を提供し、地域貢献を積極的に行うことで、企業の社会的評価が向上します。それにより、ブランド力も高まり、企業価値がさらに向上する可能性があります。

ウガンダに輸出するデメリット

日本企業がウガンダに輸出を行う際のデメリットについて、以下に詳細に説明していきます。ウガンダは東アフリカに位置する共和国で、経済的な発展やビジネスチャンスがある一方で、輸出においてはいくつかの課題やデメリットが存在します。

①インフラ整備

まず、ウガンダの基盤施設は未発達で、輸送や通信の面において不安定な状況があります。このため、輸出物流コストが高くなることが予想されます。また、港湾施設も限定的であるため、船便が利用できない場合があります。

②政治的な不安定さ

次に、ウガンダは政治的な不安定さがある国で、政治情勢の変化や社会情勢の悪化が輸出ビジネスに影響を与える恐れがあります。これにより、為替相場や物価の変動も起こりやすくなります。

③高い関税率

さらに、ウガンダは関税率が高いこともデメリットです。輸出においては高い関税負担が始業者にかかることになり、コストが増大することが考えられます。

④不透明な法制度

また、ウガンダにおいては、法律や規制が不透明であり、現地のビジネス環境がわかりにくいという点が課題です。これにより、法律遵守が難しくなるだけでなく、ビジネスに適応するための手間が増えることが予想されます。

ウガンダの輸出は宝石・貴金属やコーヒーが中心で、2023年には輸出総額が約63億ドルに達しました。
一方で恒常的な貿易赤字を抱えており、輸出構造の多角化と付加価値産業の育成が課題となっています。

ウガンダ市場は成長ポテンシャルが高い一方、インフラや制度面での課題が輸出企業に負担を与えやすい点に注意が必要です。こうした環境下で成果を上げるための実践的な戦略については以下の記事をご覧ください。

ウガンダ貿易・輸出についての基礎知識

早速ですが、初めに1970年以降におけるウガンダのGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアをデータに基づいて見ていくと、ウガンダは経常的に貿易赤字構造となっており、1990年以降はおおよそ10%の貿易赤字となっていることが分かります。(図表1)

図表1)出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

次に、ウガンダの輸出・輸入構成、貿易相手国について見ていきます。

1)輸出構成

1994年から2020年までの輸出品構成を見ていくと、主な輸出品の大半を1.農林水産品、2.鉱物、10.宝石・貴金属・美術品が占めていることが読み取れます。(図表2)

図表2)出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計しています。

上記の10分類をさらに100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げると、最大の輸出品は71.宝石・貴金属(ゴールド)で、近年では40%以上を占めていることがわかります。なお、1994年時点ではゴールドの輸出はほぼなく、輸出の80%程度は9.コーヒー、茶、香辛料が占めており、主な輸出品はコーヒーと紅茶でした。(図表3)

図表3)出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表します。

2)輸入構成

次に同じく1994年から2020年までの輸入構成を見ていきます。図表4から読み取れるように、輸入の構成は、1.農林水産品・食料品、2.鉱物、3. 化学製品、8.機械から成り、また近年では10.宝石・貴金属・美術品も急増しています。(図表4)

図表4)出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計しています。

上記の10分類をさらに100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げた図表5を元に、輸入品の具体的な商品を見ると、主な輸入品は71.宝石・貴金属(ゴールド)、27.石油天然ガスであり、2019年では2つ合わせて35%ほどを占めています。また、84.一般機械や87.自動車、85.電気機械も主な輸入品となっています。(図表5)

図表5)出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表します。

3)貿易相手国

最後に、2020年の貿易相手シェアを表した図表6を元に貿易相手国を確認していきます。

図表6から読み取れるように、ウガンダの最大の輸出相手国はアラブ首長国連邦で輸出全体の45%に相当します。その次はケニア、南スーダンと続きます。また上位10カ国の輸出が全体の84%占めていることも読み取れます。輸入相手国について見ていくと、最大の輸入相手国が中国で、輸入全体の16%に相当していることが分かります。その後はインド、ケニアと続きます。なお上位10カ国の輸出は全体の68%を占めています。(図表6)

まとめ

ウガンダは豊富な農産資源と若年人口を背景に、長期的な市場ポテンシャルを持つ一方、輸送インフラや制度面、貿易赤字構造などの課題も抱えています。輸出ではゴールドやコーヒーが主力、輸入では石油・機械類などの資本財が中心で、域内・域外のパートナーに依存度が偏る特徴があります。

新規参入では現地パートナーの選定や物流ルートの確保、関税・法制度の理解が成功の鍵となります。具体的な商品や契約条件を検討する際は、最新の制度・商習慣を踏まえた対応が必要なため、一度専門家に相談することをおすすめします

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