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シンガポールでの法人設立
海外で法人を設立する日本企業は増加の一途を辿っています。
特にアジアは距離も文化も近いことなどから、進出先として多くの日本企業に選ばれています。
今回はアジアの中でも、経済発展の著しいシンガポールについて、
現地での法人設立における基礎知識をご紹介していきます。
シンガポールの特徴
シンガポールで法人を設立するメリットとは何でしょうか。
それは、世界へ進出する足掛けとなることです。
JETROによると、ASEAN主要6カ国の中でも、
2021年のシンガポールのGDPは7.6%と、インドや中国という強豪に次ぐ勢いとなっています。
世界銀行の2020年の調査によると、シンガポールはビジネスのしやすさランキングで世界2位となっています。
シンガポールは法人税率が17%とアジアの中でも比較的低くなっています。
ちなみに日本は23%、中国25%、マレーシア24%、インドネシア22%、タイ20%となっています。
また最低資本金制度がないため、資本金が100円でも法人設立ができます。
2021年のシンガポールのGDP成長はコロナ禍で鈍化したものの、1965年の独立後には急成長を遂げた経緯があります。
外国企業の誘致やエリート教育など様々な政策を積極的に行ってきた結果、今の地位に上り詰めてきました。
そのため現在も外資100%で出資することができ、英語を話せる人材も豊富に存在しています。
コロナ禍で進出数は落ち込んでしまったものの、法人設立のしやすさは変わっていないのです。
デメリットは、強いて言えば日本本社の黒字と相殺できないことや
法的なリスクが現地法人のみに帰属することがあります。
しかし、上記のメリットの方がはるかにこれらのデメリットを上回ることから、
これらと比較しても法人税率の低さのメリットの方が圧倒的に大きいため、
2022年時点でも793社もの日本企業がシンガポールに進出していると言えます。
このような点から、シンガポールはビジネスがしやすい魅力的な国であることが言えます。
法人設立の大前提
法人設立には、会社の信頼を得るため、登記が必要となります。
社名、代表者名、事業目的などの会社概要を法務局に提出し、登記事項証明書が発行されたら、登記は完了です。
法人設立までの流れ
法人設立までの細かい流れとしては、
1.会社概要の決定、2.定款を作成・認証の取得、3.出資金の払込、4.登記申請書類の提出となります。
1.会社概要の決定について、主に社名、事業内容、住所、取締役・株主・秘書役、登録住所、資本金金額を決めます。
法人名はシンガポールにすでに同じものがある場合、申請できないためあらかじめオンラインで名前を予約しておくと良いでしょう。
事業内容は、シンガポール政府が出している一覧の中から二つまで選択ができます。
シンガポールの特異点として、秘書役の選任が必須となっているというものがあります。
秘書役とは税務書類や定款変更などの政府登録業務、総会・役員会議書類などを作成する役割を持ちます。
秘書役は一般的には会社設立時に、遅くとも6ヶ月以内に設置しなければならず、現地に住んでいることも条件となります。
取締役についてもシンガポール独自の決まりがあります。
取締役のうち一人は必ず現地居住者を含めるというものです。
会計事務所などが提供する名目取締役サービスを利用することで、現地に居住する取締役を登録することができます。
定款とは会社のルールのようなもので、公証役場に提出して認証を受ける必要があります。
資本金を発起人の個人口座に振り込む際は、シンガポールでは最低資本金が定められていないため、少額でも可能です。
これらを決め終えたら以下の書類を持ってシンガポール会計企業規制庁にオンラインで登記を申請します。
個人株主の場合は、株主のパスポートコピーと住所照明書類が必要であり、法人株主の場合は以下の書類が必要です。
・親会社の履歴事項全部証明書の英訳
・定款の英訳
・株主構成を確認できる書類
・親会社個人株主(親会社の株式または議決権を25%以上所有する個人)のパスポートコピー
・住所証明書類
また以下の三つの項目のうち二つを満たしている場合、シンガポールでは会計監査が必要となります。
売上高1,000万シンガポールドル以上
総資産額が1,000万シンガポールドル以上
従業員数が50人以上
設立後の流れ
法人設立まで終わったら、次は法人銀行口座の開設をします。
現地でよく利用されている銀行はDBS、U O B、O C B Cになります。
銀行スタッフに対して必要な説明や書類の内容が銀行によって異なるため、あらかじめ調べておくと良いでしょう。
口座が開設されるまでには2週間以上かかるとされています。
さらにインターネットバンクを使う際には暗証番号ジェネレーター機器が届くのに追加で2週間以上かかります。
現地の銀行はマネーロンダリングや脱税を防止するために会社の実態状況や事業内容をしっかりと審査するため、
余裕を持って準備を進めておくようにしてください。
いかがだったでしょうか。
シンガポールで法人設立を考えている方は、ぜひこれまでの流れを参考にしてみましょう。
この機会を足がかりに、さらに世界の多くの国への飛躍を目指していきましょう。
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