マレーシア貿易・輸出の基礎知識(2024年更新)

 

目次

    マレーシア貿易・輸出の最新事情

    東南アジアの中心に位置するマレーシアは、マレー半島とボルネオ島の一部から成り立っています。

    国土面積はマレー半島部分とボルネオ島部分を合わせて約33万平方キロメートルで、国土の約60%が熱帯雨林で覆われています。

    首都クアラルンプールをはじめ都市は近代化を遂げていますが、大自然も残る国です。

    コロナ禍以前の近年のマレーシア経済は、平均4〜6%の安定した経済成長を続けており、

    直近では2021年の貿易収支は37.7%増の2,526億リンギットと、1998年以降24年連続かつ過去最高の黒字となりました。

    マレーシア貿易のメリット

    マレーシアへの輸出は、多くのメリットをもたらす可能性があります。マレーシアは東南アジア地域に位置し、経済成長が続いており、多くの投資機会や市場が存在します。以下に、マレーシアへの輸出の主なメリットをいくつか挙げてみましょう。

    ①経済成長と市場拡大

    マレーシアは急速に成長し続ける経済を持っており、これにより日本企業にとっての市場拡大のチャンスが増えています。マレーシアのGDP成長率は近年高水準を維持しており、多くの企業がビジネスチャンスを求めて進出しています。これにより、日本企業がマレーシアに輸出することで、新たな市場を開拓することが可能となります。

    ②貿易関税の低減

    マレーシアと日本は経済連携協定(EPA)を結んでおり、これにより両国間の貿易関税が低減されています。この結果、日本企業がマレーシアに輸出する際にかかるコストを削減することができます。さらに、マレーシアはASEAN諸国とも自由貿易協定(FTA)を結んでおり、日本企業がマレーシアを通じてアジア全体への輸出拡大が容易となっています。

    ③労働コストの削減

    マレーシアは比較的低い労働コストを持っているといわれており、そのために日本企業がマレーシアに輸出すれば、現地での生産コストを削減することができます。これにより、日本企業は競争力を向上させることができるだけでなく、利益率を高めることが可能となります。

    ④ビジネス環境の整備

    マレーシア政府は外国企業の進出を積極的に促進する政策を実施しており、法人税の優遇措置や規制緩和などビジネス環境の整備が進んでいます。これにより、日本企業がマレーシアに進出した際のリスクを低減することができ、さらなるビジネスチャンスを享受することが可能となります。

    ⑤文化の類似性

    マレーシアは日本と同じようなアジア文化を持っており、ビジネス上のコミュニケーションが比較的容易であるといわれています。このため、日本企業はマレーシアに輸出する際に、ビジネス上の誤解や摩擦を最小限に抑えることができます。また、マレーシアには日本文化に親しんでいる人々が多く、日本製品やサービスに好意的な反応が得られることが期待されます。

    マレーシア貿易を行う際に押さえるべきポイント

    ①市場調査とニーズの把握

    市場調査とニーズの把握: マレーシア市場の需要やトレンドを徹底的に調査し、日本の商品やサービスがどのような需要を持つかを理解することが重要です。市場のニーズに合わせて提供する価値を明確にすることが成功の基盤となります。

    ②貿易協定の利用

    貿易協定の利用: 日本とマレーシアとの間には自由貿易協定(FTA)が存在しており、関税撤廃や輸入規制の緩和が行われています。FTAの利用によってコストを削減し、競争力を高めることができます。

    ③法律・規制の遵守

    法律・規制の遵守: マレーシアの法律や規制に従うことは不可欠です。輸出商品に関するラベリングや品質基準などを遵守し、適切な許認可手続きを行うことが求められます。

    ④販売ルートとパートナーシップの構築

    販売ルートとパートナーシップの構築: 現地での販売ルートを選定し、代理店、ディストリビューター、パートナーなどとのパートナーシップを築くことが効果的です。地域のビジネスネットワークを活用して市場に進出することができます。

    ⑤文化と言語の理解

    マレーシアは多文化国家であり、マレー、中国、インド系など多様な民族が共存しています。文化や言語の違いを理解し、適切なコミュニケーションを図ることが重要です。

    ⑥価格設定と競争戦略

    現地市場の価格水準や競合状況を分析し、適切な価格設定と競争戦略を立てることが必要です。価格帯や付加価値を考慮して戦略を構築しましょう。

    ⑦アフターサービスとカスタマーサポート

    輸出した商品やサービスに対するアフターサービスやカスタマーサポートを提供することで、顧客の信頼を築きます。良好な顧客関係を維持することが重要です。

    ⑧リスク管理

    輸出にはリスクがつきものです。政治的な変動や通貨の変動、物流の問題などに備えるために、リスク管理策を考えることが大切です。

    マレーシアの主な貿易品目

    さて、マレーシアの輸出入品目と聞いて、皆様はどのようなものを思い浮かべるでしょうか。

    マレーシアは、 ASEAN諸国の中で最も工業化が発展した国のうちの一つです。直近の傾向としては、製造品、農産品、鉱物の輸出はそれぞれ2桁の成長率を記録し、製造品においては過去最高となりました。

    具体的な品目に関しては以下を見ていきましょう。

    マレーシアの主要輸出品目は、電気製品、パ-ム油、化学製品、原油・石油製品、LNG、

    機械・器具製品、金属製品、科学光学設備、ゴム製品などです。

    マレーシアの主要輸入品目は、電気製品、製造機器、化学製品、輸送機器、金属製品、

    原油・石油製品、鉄鋼製品、科学光学設備、食料品などです。

    特に電気製品に関しては、高い需要が見込まれることから貿易がさらに伸びると予測されます。

    マレーシアの主な貿易相手国

    これまでマレーシアの主な貿易品目に関して見てきましたが、

    マレーシアの貿易相手国はどのような国があるのでしょうか。

    輸出入別の2021年度の詳細については、以下で見てみましょう。

    マレーシアの主な輸出相手国は、中国、シンガポール、アメリカ、香港、日本などが挙げられます。

    マレーシアの主な輸入相手国は、中国、シンガポール、台湾、アメリカ、日本などが挙げられます。

    マレーシアにとって中国は13年連続で最大貿易国でありますが、輸出入とも相手国がほとんど同じであるという特徴が分かります。

    日本とマレーシア間の貿易について

    日本とマレーシアの貿易はどのような現状なのでしょうか。

    マレーシア貿易開発公社(MATRADE)によると、日本マレーシア間では2021年、

    貿易総額・総輸出額・総輸入額および貿易収支額のすべてにおいて最高額を記録しました。

    2020年度の日本の対マレーシア輸出総額は、約1兆3,435億円でした。

    一方、対マレーシア輸入総額は、約1兆7,016億円でした。

    日本の対マレーシア輸出品として挙げられるのは、機械類、自動車、鉄鋼、プラスチック、自動車部品などです。

    そのうち、機械類が約4割を占めます。

    日本の対マレーシア輸入品として挙げられるのは、機械類、液化天然ガス、衣類、プラスチック、合板などです。

    輸入の場合は、機械類の割合は約3割ですが最も多くを占めます。

    マレーシアにおける貿易拡大の将来性

    マレーシアは数々のFTA(自由貿易協定)を活用しているので、

    FTAパートナー国間の2021年の貿易額は前年比25.3%の増加を記録し、

    1.49兆マレーシアリンギット(およそ32兆円)に及び、マレーシアの貿易総額の66.9%を占めました。

    日本マレーシア間の企業にとって有効活用できる日・ASEAN包括的経済連携(AJCEP)などの協定などがあるので、

    更なる貿易拡大を期待することができます。

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    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。