ミャンマー貿易・輸出の基礎知識(2024年更新)

 

目次

    ミャンマーの貿易概況

    ミャンマーは東南アジアに位置する国で、インド洋に面し、中国、タイ、インドなどと国境を接しています。約5,400万人の人口を持ち、仏教が主要な宗教です。ミャンマーは2011年に民政移管が行われ、以降、政治的・経済的な改革が進められてきました。しかし、2021年2月に軍事クーデターが発生し、現在は混乱と抵抗の状況にあります。

    ミャンマーの経済は農業に依存しており、米や豆類、果物などが主要な作物です。また、天然ガスや石油、宝石などの鉱物資源も豊富にあります。ミャンマーのGDPは2020年に約760億ドルでしたが、軍事クーデターの影響で2021年には18%減少すると予測されています。

    ミャンマーの貿易は近年拡大傾向にあります。2020年度(2020年10月~2021年7月)の貿易総額は約300億ドルでしたが、前年度と比べて約10%増加しました。輸出額は約170億ドルで前年度より約20%増加しましたが、輸入額は約130億ドルで前年度より約1%減少しました。その結果、ミャンマーは貿易黒字を達成しました。

    ミャンマーの主要な貿易相手国は中国とタイであり、両国との貿易額はそれぞれ約100億ドルと約50億ドルでした。中国はミャンマーの最大の輸出相手国でもあり、天然ガスや宝石などを輸出しています。タイはミャンマーの最大の輸入相手国でもあり、石油製品や機械などを輸入しています。日本はミャンマーの第三位の貿易相手国であり、2020年度の貿易額は約10億ドルでした。日本からミャンマーへの輸出品目は自動車や機械などであり、ミャンマーから日本への輸出品目は衣料品や農産物などです。

     

    ミャンマーの輸出管理制度

    ミャンマーの輸出管理制度は、貿易管理制度と同様に、商業省貿易局が管轄しています。輸出には、一部の品目を除いて、輸出ライセンスが必要です。輸出ライセンスは、商業省貿易局やその支部で申請できます。申請には、輸出品目の詳細、数量、価格、相手国、支払い方法などを記載した申請書や商業登録証明書、税務登録証明書などの書類が必要です。

    ミャンマーでは、一部の品目の輸出が規制されています。原則としては、1999年11月26日付商業省大臣官房通達第99号の「ミャンマー輸出規制品目リスト」が有効ではあるものの、大半の品目が徐々に除外された。最新の除外に関する通知は、2016年8月16日付商業省大臣官房通達第62号で、以下の品目が規制対象となっています。

     

    金属廃棄物(Metal Scraps)

    鉄鋼製品(Iron and Steel Products)

    石油製品(Petroleum Products)

    天然ガス(Natural Gas)

    宝石(Gems)

    真珠(Pearls)

    木材(Timber)

    魚介類(Fishery Products)

    肉類(Meat Products)

    これらの品目を輸出する場合は、関係省庁から許可や推薦状を得る必要があります。例えば、天然ガスや石油製品を輸出する場合は、電力・エネルギー省から許可を得る必要があります。また、宝石や真珠を輸出する場合は、宝石・真珠企画委員会から推薦状を得る必要があります。

    ミャンマーでは、外国為替管理も厳しく行われています。中央銀行法に基づき、中央銀行が外国為替管理委員会を設置し、外国為替管理法や外国為替管理規則に従って外国為替取引を監督しています。輸出者は、中央銀行から認可された銀行や金融機関を通じて外国為替収入を受け取る必要があります。また、輸出者は、外国為替収入を90日以内にミャンマーに持ち込む義務があります。

     

    ミャンマー貿易を始めるなら『デジトラッド』

    STANDAGEは独自の貿易クラウドサービスを使い、中小企業の貿易を”まるなげ”できるサービスである『デジトラッド』を提供しています。

    デジトラッド』はIT導入補助金の適用により、低コストでの海外販路開拓が可能です。大手商社ではなしえない小規模小額の貿易や、国内買取対応も可能なので、是非一度お気軽にお問い合わせください。

    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。