本テキストではタイへ輸出する際に知っておくべき基礎知識をご紹介します。
インドネシア貿易の現在の貿易額・輸出品項目
近年、日本とインドネシアの貿易・投資関係は着実に深化しており、とくにエネルギー・鉱物資源・製造業を中心とした分野で戦略的な連携が進んでいます。
日本貿易振興機構(JETRO)の2024年統計によると、日本からインドネシアへの主要輸出品目は以下の通りです:
日本の対インドネシア輸出構成(2023年) | 割合 |
---|---|
一般機械類(ボイラー、ポンプなど) | 21.3% |
輸送用機器(自動車・バイク関連) | 17.1% |
鉄鋼 | 13.8% |
一方、インドネシアから日本への輸入品目としては、天然ガス(LNG)や石炭、パーム油、電気機器などが主要な位置を占めています。
日系企業の進出と拡大の動き
JETROによると、2024年時点でインドネシアに進出している日系企業は約2,000社に上り、その約35%を中小企業が占めています。自動車関連や化学、食品加工、建設機械など、幅広い業種の企業が進出しています。
2023年の調査では、インドネシアで「今後5年間で事業を拡大したい」と考える企業の割合は、全体の約65%に達しており、前年から5ポイント増加しています。これは、コロナ禍からの経済回復と、インフラ投資の進展、若年人口の多さなどが背景にあります。
中小企業にとっての追い風
インドネシアは人口約2.8億人を有し、中間層の拡大と消費市場の成長が続いているため、中小企業にとっても輸出や現地進出のチャンスが広がっています。
製造拠点としてだけでなく、「需要地としてのインドネシア」への注目も高まっており、今後さらにBtoC商材を持つ日本企業の展開が期待されます。

インドネシア貿易のメリット
インドネシアへの日本企業の輸出には、様々なメリットが存在しています。
①豊富な消費市場
一つ目は豊富な消費市場です。インドネシアは中間所得層が2021年までに12倍も増えており、それに伴い生活必需品などの需要が高まっています。2025年現在もその勢いは継続しており、若年層人口の多さとあいまって、内需市場としての成長性が極めて高い国として注目を集めています。今後もASEAN一位という全体人口だけでなく中間所得層の増加も続く見込みのため、長期的な市場の拡大が期待できます。
②親日国家
二つ目は親日国家であることです。第二次世界大戦後、旧日本軍は、インドネシアがオランダから独立する際に協力しました。以降、インドネシアはスカルノ大統領時代から新日国家であり、近年は日本の漫画やアニメなどのポップカルチャーも浸透しています。
③人口の増加
インドネシアは人口が多く、経済成長が続いています。これは、日本企業にとって広大な市場と新たなビジネスチャンスを提供してくれることを意味します。
④地理的優位性
インドネシアは日本にとって地理的に近く、交易のしやすさがあります。これにより、物流コストや運送時間が短縮され、競争力が向上するとともに、製品の市場への投入が迅速にできるメリットがあります。
⑤日本製品の高い評価
日本製品はインドネシア国内で高い評価を受けており、品質の良さや安全性が評価されています。このため、日本企業の輸出製品は、競合他社に対して付加価値を持たせることができると言えます。
⑥外国企業への優遇措置
インドネシア政府は、外国企業に対して投資環境の改善を推進しており、規制緩和や税制面でのメリットが提供されています。これにより、日本企業がインドネシア進出を容易にすることが可能です。
⑦貿易の手軽さ
さらに、インドネシアはASEAN経済共同体(AEC)の一員であるため、AECとの自由貿易協定(FTA)を活用し、関税負担の軽減や輸出入手続きの簡素化が図られています。これは、日本企業にとって輸出ビジネスを展開しやすい環境を提供してくれると言えるでしょう。
⑧豊かな資源
最後に、インドネシアは資源豊かな国であるため、日本企業は現地での生産や調達活動を行うことができます。これにより、製品コストの削減が図られる可能性があります。

インドネシア貿易の流れ
次にインドネシア貿易の流れについて確認していきましょう。
必要書類
インドネシアでも他国と貿易のプロセス自体は変わりません。
輸入関税の納付、輸入申告、書類審査、現物検査、搬出許可という手順になります。
しかし注意して頂きたいのが、輸入通関にかかるリードタイムです。
インドネシアでは輸入通関において、輸入品と輸入者のリスクを考慮し、輸入申告する貨物を3つのレーンに分類しています。
そして、各レーンで輸入許可が下りるまでのリードタイムが異なります。
基本的には上記のプロセス全部を踏まなければなりません。
ただし、赤、黄、緑のレーンのうち、現物検査の過程が書類検査官の判断で省略されるのが黄、無条件に省略されるのが緑となっています。
インドネシアでの輸入規制
インドネシアで輸入が禁止または制限されている品目をご紹介します。
禁止されているものは中古車、えび、医薬・食品の原料、特定の魚、モッツァレラチーズ、古着、フロン使用の空調設備機械、危険物などです。
制限されているものは、にんにく・小麦・小麦粉・大豆など8品目、
乳製品など18品目、コメ、牛肉、砂糖、塩、アルコール、鉄鋼、繊維、石油ガス、中古資本財、作物製品です。
細かく規制が設定されており、法令が変わることもあります。
ご自身が輸出したい品目が規制対象か都度ご注意の上、スムーズな貿易を行ってください。
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