南アフリカは、経済的に発展しており、輸出市場が拡大しています。主要輸出品目には、自動車や食品、製品が含まれます。日本企業にとって、南アフリカへの輸出は大変魅力的ですが、その取引を円滑に進めるためには、貿易の基礎知識を把握することが重要です。その一環として、関税制度や規制を理解し、必要な手続きを遵守することが求められます。また、為替の影響や海外進出に関する政策を把握することで、より効果的なビジネス展開が可能となります。専門機関や貿易支援サービスを活用し、効率的な輸出戦略を立てましょう。
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南アフリカの基礎情報
南アフリカはアフリカ大陸の最南端に位置し、壮大な自然と発展する経済が共存する国です。サファリやホエールウォッチング、海洋ダイビングなどの野外観光が盛んで、国際的な貿易や産業活動も活発に展開されています。
項目 | 内容(2025年最新) |
---|---|
正式名称 | 南アフリカ共和国(Republic of South Africa) |
人口 | 約6,310万人(2025年推計) |
面積 | 約1,220,000㎢(世界24位、日本の約3.2倍) |
首都 | プレトリア(行政)、ケープタウン(立法)、 ブルームフォンテーン(司法) |
公用語 | 英語、アフリカーンス語、ズールー語など11の公用語 |
民族構成 | 黒人約82%、白人約7%、カラード(混血)約8%、アジア系約3% |
宗教 | キリスト教約85%、イスラム教、ヒンズー教、伝統宗教など |
名目GDP総額 | 約4,180億ドル(2025年、アフリカ第2位、世界約39位) |
1人当たりGDP | 約6,520ドル(名目)、購買力平価ベース:約1.6万ドル |
経済成長率 | 2025年見通し:1.0%(2024年は0.6%) |
観光業はGDPの約3.3%を占め、年間の観光支出は約2,400億ランドに達しています。鉱業は依然として主要輸出収入源であり、特にプラチナ・金・クロムなどが世界的に重要な資源となっています。
一方で、経済格差や失業率の高さといった社会問題は依然として課題です。近年は都市計画「Vision 2050」などを通じ、インフラ整備や地域の包摂政策を推進。さらに、サイの角に放射性物質を注入して密猟を防ぐなど、先進的な野生動物保護策も実施されています。
南アフリカは豊かな自然と強固な産業基盤を併せ持ち、日本との貿易・投資・観光分野での関係も今後さらに拡大が見込まれています。

南アフリカと日本の貿易状況(主な輸出品)
日本と南アフリカとの貿易では、南アからの輸入額が日本からの輸出額のおよそ4倍に達しており、非鉄金属の輸入がその大部分を占めています。
項目 | 内容 |
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日本の輸出額 | 約23.54億ドル |
主要輸出品目 | 輸送機器(52.4%)、一般機械(15.7%)、原料別製品(9.6%) |
日本の輸入額 | 約100.99億ドル |
主要輸入品目 | 非鉄金属(78.0%)、鉄鉱石(6.5%)、自動車(2.4%) |
非鉄金属の輸入構成 | 日本全体の非鉄金属輸入の約20〜25%が南ア由来と推定される |
日系企業数 | 約268社 |
在留邦人数 | 約1,112人 |
日本から南アフリカへの輸出は約23.54億ドルで、輸送機器(52.4%)の比重が高く、一般機械や部品製品も一定の割合を占めています。一方、日本が南アから輸入する金額は約100.99億ドルで、輸出額の約4倍にのぼります。
この輸入の大部分(約78%)は、非鉄金属で構成されており、鉄鉱石や自動車パーツも一定量含まれています。日本の非鉄金属輸入全体において、南アフリカは主要な供給源の一国となっています。
また、南アフリカには約268社の日系拠点が進出しており、在留邦人数も約1,112人と一定の規模です。これにより両国間には経済面だけでなく人的交流の基盤も築かれています。
南アフリカ貿易・輸出のトレンド
南アフリカは近年、アジア・ヨーロッパ・アメリカ向けの輸出が拡大しており、製品カテゴリーも自動車、鉱産資源、食品と多様化が進んでいます。国際市場における重要な輸出国として、企業にとって理解すべきトレンドが複数あります。
項目 | 内容 |
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主要輸出品目 | 自動車、鉱産資源(金・プラチナ・クロムなど)、食品(果物、ワインなど) |
主な輸出先 | 中国、アメリカ、日本、イギリス、ドイツ |
アジア市場向け輸出 | 中国・インド・シンガポール宛の輸出が特に顕著に増加 |
為替・政策の影響 | ランド安や輸出関税政策(例:クロム鉱石への課税)は輸出業に直接影響 |
南アフリカの2024年の輸出総額は約1,100億ドルで、中国、アメリカ、日本が主要な市場です。
特に鉱物資源(プラチナ、金、鉄鉱石、クロムなど)が輸出収入の柱となっています。中国向けは輸出額全体の1割以上を占め、他にドイツやアメリカも重要な市場となっています。
近年、日本や中国、インド、シンガポールといったアジア市場への輸出が拡大しており、自動車や果物・ワインなどの食品分野でも注目が高まっています。
一方で、為替の変動や政策リスクも無視できません。ランドの下落は輸出競争力を高める効果がある反面、クロム鉱石への輸出税案など政策変更は鉱業にとって大きなリスクとなっています。
さらに、米国との貿易関係では2025年にAGOA(アフリカ成長機会法)が終了し、米国が30%の高関税を導入したことで、自動車部品や農産品など南アの主要輸出品に影響が出ています。政府は関係修復と新たな貿易交渉を模索していますが、見通しは依然として不透明です。
総じて、南アフリカは鉱産資源を基盤にしつつ、アジア市場を中心に輸出の多角化を進めています。国際ビジネスに関わる企業にとって、市場動向と政策変化の把握が重要な課題となっています。
南アフリカへの商品輸出手続き
南アフリカでは手続きの簡素化やオンライン化が進む一方、条件次第で複雑さが増すため注意が必要です。
輸出入許可申請手順
・南アフリカ歳入庁(SARS)に登録する。
・輸出入許可が必要な製品は、貿易産業競争省(DTIC)のImport and Export Permit(輸入・輸出許可証)や関連各省に事前申請する。
・プラグ付き電化製品など南アに輸入・販売する場合、製造・輸入者は南ア国家強制基準監督局(NRCS)から承諾書(Letter of Authority: LOA)を事前取得する。
・関税手続き:全てオンラインで手続きをすることができます。(南アフリカ歳入庁:税関申告:Clearance Declaration)
必要な書類は?
貿易には多くの書類が必要です。南アフリカとの貿易では以下の書類を用意しましょう。
船荷証券(BL)もしくは 航空運送状(AWB)(通関用、コピー可) |
原則「指図式」ですが、特別な場合に限り「記名式」でも可能。 |
原産地証明申告書(DA59) | 特恵関税、アンチダンピング関税、相殺関税が適用される物品用。署名済みの申告書を添付。EUから輸入時には移動証明書(EUR.1)が必要。 |
商業用インボイス(コピー可) | 商品名、商標、物品の性質や特徴、輸入税の査定や統計作成に必要な細目を記載。 |
パッキングリスト | 記載内容は他の書類と一致。無償インボイスは認められず、貨物には正しい価値を記載。 |
規制対象品目の輸入では、輸入許可証(Import Permit)の取得が必要。許可がないと処罰の対象。輸入許可証は譲渡不可で、有効期間は交付された暦年内。中古品の輸入ではほとんどが輸入許可証が必要。

南アフリカ貿易・輸出の基礎まとめ
著しい経済成長の中でまだまだ差別や貧富の差などの問題が見え隠れする南アフリカですが、日本との取引額も多く、今後も貿易規模は拡大していくと予想できます。当サイトではその他の国についてもご紹介していますので是非ご覧下さい。
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