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規模別・業種別に見た直接輸出・間接輸出企業の割合
(株)帝国データバンクの財務データによると、
直接輸出・間接輸出企業の割合を規模別・業種別で比較した結果、以下の傾向が見てとれます。
製造業における大企業・中小企業の直接輸出・間接輸出企業の割合が
比較的高くなっていることがわかります。
(直接輸出を行う大企業:58.7%、間接輸出を行う大企業:50.2%、
直接輸出を行う中小企業:12.8%、間接輸出を行う中小企業:15.6%)。
また卸売業における同割合も比較的高くなっています
(直接輸出を行う大企業:35.8%、間接輸出を行う中小企業:18.5%、
直接輸出を行う中小企業:10.7%、間接輸出を行う中小企業: 6.7%)。
一方で小売業やサービス業においては、いずれの項目においても2%台かそれ以下と、
企業規模を問わず、ほとんど輸出が行われていません。
どのような企業が輸出に取り組んでいるのか
製造業や卸売業において中小企業は比較的輸出に取り組んでいることがわかりましたが、
中小企業の従業者の規模によって、更に輸出割合が変化していることがわかります。
従業者数が「20人未満」の企業では、輸出企業の割合が13.3%、「20〜99人」では17.6%、
「100人」以上では18.8%となっており、従業員数の規模が大きいほど輸出に取り組む割合は高くなっています。
また、代表者の留学や海外勤務といった海外経験と輸出への取り組みは正の相関関係にあります。
代表者の海外経験が「なし」の企業では、輸出を行う割合が12.7%にとどまっています。
一方、代表者の海外経験が「2年未満」の企業では、輸出を行う割合は36.5%にのぼり、
「2年以上」では36.8%と高い割合を示しています。
輸出を取り巻く環境の変化
日本政策金融公庫総合研究所・丹下氏の中小企業に対するアンケート調査によると、
2016年時点で、36%の企業が輸出開始時に比べて輸出環境が好転したと答え、
悪化したと回答した企業の割合(21.6%)を上回っています。
中小企業の輸出環境好転の要因としては、日本製品への需要拡大が最も大きな要因となっています(44.3%)。
その後に主な項目として、円安の進展(36.1%)、情報通信技術の発展(35.2%)、
輸送手段の発達・多様化(34.4%)、輸出相手国の経済情勢改善(23.0%)、輸出手続きの簡素化(20.5%)が続きました。
海外展開での課題
また、同氏の調査から、中小企業が海外輸出を進めていく上でのいくつかの課題が明らかになっています。
課題として最も指摘されている項目として、「販売先の確保」が挙げられており、36.7%の企業が回答しています。
次いで、「現地の市場動向・ニーズの把握」が多く回答されており、31.8%となっています。
輸出に取り組む中小企業の多くが、現地ニーズをどのように把握し、
販売先をどのように確保すればよいのか、悩んでいることがわかります。
また、直接輸出の際に挙げられる課題としては、
「外国語や貿易の関連事務ができる人材の確保育成」「必要資金の確保」「代金の回収」といった項目は、
間接輸出の場合と比べて高くなっています。
直接輸出を行う際には、現地と直接取引を行う上でのノウハウがやはり必要になります。
輸出への取り組みと企業への影響
輸出に取り組みにより、企業は多くの恩恵を受けることができます。
「企業・製品の評判・イメージ」については、「良くなった」と回答した企業は
「悪くなった」と答えた企業よりも39.6%多いことがわかっています。
また「従業員の士気」「品質管理」「製品・サービスの品揃え」「営業・マーケティングの能力」が「高まった」と
回答した企業は「下がった・悪くなった」と答えた企業よりも、いずれの項目においても30%以上多く存在しており、
海外展開による企業へのこう影響が伺えます。
海外輸出に取り組むことで、社内の士気や意識を高め、それに付随するかたちでノウハウやスキルも向上していくことがわかっています。
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