食品輸出の流れ・必要な手続きなどの基礎知識

 

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    ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。2021年の海外の日本食レストランは16万店にものぼります。日本食や日本の食材は海外で大人気となっています。コロナ禍で飲食業界は深刻なダメージを受けましたが、家庭用やデリバリー、ECサイトの食品は各国で増加傾向にあります。

    海外との貿易によって得られる効果

    海外へ自社の商品を輸出しようとする目的は各社それぞれですが、明確なゴールなしに海外輸出を始めてしまっては満足のいく結果を得ることが難しくなってしまいます。以下は、海外輸出を行うことによってどのような効果があるのかをまとめたものになります。ぜひ、ゴール設定に役立ててみましょう。

    ①国内市場・自社生産現場への貢献

    海外という新しい販路の開拓を行うことで、現場の生産意欲向上と経営基盤の強化に繋がります。さらに、海外での事業経験を国内市場に応用できたり、国内市場でのPRに活用することでイメージアップを図ることができます。

    ②国内市場での価格安定化

    一定期間にわたって輸出向け販売契約が成立することで、国内市場の受給安定が実現されます。

    ③国内で評価が低い商品の活躍

    国内ではそれほど高く評価されていない商品でも、嗜好が違う海外では異なる評価を受ける可能性があります。そうなれば、評価が低かった商品が海外で高評価を受け人気商品へと変身することさえあるでしょう。

    ④地域活性化への貢献

    輸出拡大による国内生産の増加が食料自給率向上に繋がり、その産地を中心とする地域の活性化に貢献することが可能となります。

    食品を輸出する際に気を付けるべき代表的な規制

    食品は国民の健康と安全を担保するため、輸出には事前に確認する項目が多く規制も厳しいのが特徴です。なかでも代表的なCODEXとHACCPを紹介します。

    CODEX

    CODEXとは、食品規格委員会が策定している世界的な食品規格です。食品規格委員会で作られる食品規格には2つのタイプがあり、農畜産物の生産段階から消費者の食卓に並ぶまでの基準と、食品の品質に関する規格があります。

    HACCP

    HACCPは、もともとアメリカのNASAの宇宙食の安全性を確保するために考案されたもので、こちらも食品規格委員会から発表されています。日本でも2020年6月から義務化が行われており、このHACCP認証をすることで国際基準での安全性をアピールすることができます。

    日本の食品輸出の現状

    2019年の日本の食品・農林水産物の輸出総額は9121億円となっており、1兆円に迫る勢いとなっています。また、2012年から7年連続で過去最高を更新する快挙となっています。

    おもな輸出先

    主な食品の輸出先として、香港、中国、アメリカ、台湾、韓国がTOP5となっていて、比較的近隣のアジア地域に輸出されています。

    おもな品目

    主な品目として、1位は農産物、2位は水産物、3位は林産物となっています。細かな品目をみていくと、1位の農産物の加工食品をはじめ、農産物が上位を占めています。

    食品輸出の流れと必要な手続き

    市場調査

    食品の輸出を考えるのであれば、輸出する販路を選定するだけではなく、どの食品が、どのくらいの価格帯で販売されているのかも調査する必要があります。農林水産省やJETROのホームページを確認してみましょう。イベントや展示会に参加して現地の情報を調査してみるのも良いかもしれません。

    貿易計画の策定

    輸出する食品のプランを策定します。輸出先の国やターゲットとなる顧客層を設定します。輸出時期、検疫手続き、輸送方法、価格・数量など、具体的な計画を立てます。輸出先の商標の登録も忘れずにしておきましょう。

    輸出前の主な手続き

    社内での貿易実務の担当を決め、輸出計画に対応できるような生産体制を整え、輸出先の輸入業者・卸売業者などを事業パートナーとして活用することでスムーズに輸出を行うことができます。

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    今回は「食品輸出の流れ・必要な手続きなどの基礎知識」についてお届けしました。

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