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海外輸送とは
海外輸送は貿易の鍵を握っていると言っても過言ではありません。海外輸送には相当なコストや時間がかかるため、それをどう抑えるかが重要だからです。海外輸送で送るものは商品だけでなく、材料や設備などさまざまです。目的に応じて手段を選びますが、第一歩としてその手段にどのような選択肢があるか、知っておきましょう。
本記事では「海外流通の基礎や料金」として、日本企業が海外輸送をする際に押さえておくべきポイントを簡潔にご紹介いたします。
海外輸送の四つの方法
海外へ輸送するには、①船便②航空便③SAL便④EMS便の4つの方法があります。以下ではそれぞれの特徴を紹介していきます。
①船便
船便とは、コンテナに入れて船で輸送する手段(海上貨物輸送)のことです。
船便の良い点は、大量に安くモノを運ぶことができる点です。また大きさや重量も制限がありません。一方悪い点は、輸送に時間がかかることです。例えばヨーロッパの場合は1ヶ月程度かかると言われています。
費用はコンテナの数と種類、仕向地、依頼業者によって異なります。しかし費用に差が出るのは主にコンテナを積みこんだ船が出発し、目的地に到着するまでの海上運賃です。輸送物を港まで運ぶ「集荷」〜荷物の検査を受けて輸入の許可を得る「通関」までの工程は、あまり違いはありません。ですから費用を抑えるならば海上運賃に注目することが重要です。
②航空便
航空便とは、乗客と一緒に飛行機内にモノを入れて運ぶ手段のことです。
航空便の良い点は、船便より速く輸送できる点です。
良くない点は費用が高いこと、運ぶモノの量や大きさに制限があることです。
日本郵政グループの資料によると、例えばヨーロッパの場合、1kgまでの荷物なら費用は3,850円で、1kg毎に料金が設定されています。運べる重量と大きさの上限は宛先国・地域によって異なります。長さ(最長辺)が1.5m、長さ(最長辺)+胴回りが3m、重量が30kgまで、もしくは長さ(最長辺)が1.05m、長さ(最長辺)+胴回りが2m、重量が30kgになります。精密機械や食料品などを送る際は航空便を利用するのが良いでしょう。
③SAL便
SAL(=エコノミー国際)便とは、飛行機によって運びますが②の航空便とは異なるシステムで配送する手段のことです。その違いは、荷物が到着する宛先国の空港及びそこからの配送方法です。
SAL便では一般に航空便よりも遅いルートで空港から受取手に荷物が届きます。そのため航空便よりも費用が安く、また船便よりも時間を要しません。SAL便は配送先の国や地域によって利用出来るか否かが異なりますので、事前に確認が必要です。
④EMS便
EMS(=Express Mail Service)便は最も早い国際輸送サービスであり、航空便よりも安く利用できるサービスです。
荷物の大きさによって封筒か段ボールに入れて郵便局から発送します。費用は宛先国・地域によりますが、ヨーロッパの場合、1kgなら3,200円、10kgなら16,600円です。EMS便の更なる良い点はクール便やトラッキングも利用出来ることです。冷凍・冷蔵で送ることができるので、賞味期限のある食品はEMS便がおすすめです。
トラッキングは日本郵政のサイトから13桁の確認番号を入れることで配送状況を確認することができます。EMSのクール便を送る場合は集荷日の火曜日に郵便局に持っていくようにしましょう。EMSが利用出来る国は120カ国程と制限があり、さらにクール便も対象国が決まっているので、こちらも確認しておきましょう。
海外輸送における注意事項
輸送の際は、主に以下の2点について注意する必要があります。
注意事項①船便の場合
船便には三つの注意点があります。オーバーブッキング、荷物の置き場所、オーバーゲージです。オーバーブッキングとは、キャンセルを考慮した船会社による過剰予約のことです。この問題は、荷物が次の船にも載せられないままコンテナヤードに放置されてしまうというケースがあることです。荷物の置き場所の問題とは、船上で雨晒しにあう場所かどうかによって、コンテナ内の荷物が濡れてしまうことです。オーバーゲージとは、荷物が指定コンテナ内に収まらないことです。これら三つの問題は、経験豊富な良いフォワーダーを選ぶことで防ぐことができます。
注意事項②国際輸送で送れないもの
輸送手段に関わらず国際輸送では送れないモノがあります。世界共通の品目はスプレー缶、香水、花火・クラッカー、日焼け止め、マニキュア、ヘアトニック、アルコール飲料、電子タバコ、モバイルバッテリーなどです。
宛先国によって送れないモノとしてよくある品目は、酒、タバコ、肉・野菜・果物などです。牛肉が禁制品の国ではカップ麺、カレー、コンソメなども送れません。意外とよく間違ってしまうので十分注意しましょう。
海外輸送に向けて
今回は海外輸送の基礎や料金についてお伝えしました。海外輸送は方法によって費用や所要日数、オプションサービスの有無などが異なります。輸送目的にそってそれぞれに最適な方法を選択することで、出来るだけ効率の良い輸送を目指しましょう。
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