化粧品を輸出するには?基礎知識を解説

 

目次

    化粧品輸出の現状

    輸出化粧品は、中国・香港を中心にアジア諸国に大きな人気があり、現在輸出額が年々増加しています。

    財務省貿易統計によると、化粧品(スキンケア、ヘアケア、メイクアップ、香水など16品目)の輸出額は、通年で6年連続で過去最高を更新しています。2016年には輸出額が輸入額を上回り、さらに輸出額が成長しています。

    主な輸出先は中国・香港となっておりますが、韓国やシンガポールにも大きな需要があります。輸出化粧品の中で特に、化粧水や美容液、乳液といった高価格帯のスキンケア商品が大きな人気を誇っています。

    アジア諸国では、高品質の日本製化粧品の人気は高くなっており、インターネットを通じてECサイトでの購入が増えています。そのため化粧品大手では、越境ECを強化する動きが見られています。

    化粧品を海外輸出するメリット

    化粧品産業は、世界中で急成長しており、各国の消費者は質の高い製品を求めています。このため、日本企業が化粧品を海外に輸出することには多くのメリットがあります。

    ①新しいビジネスチャンスの獲得

    まず、海外市場への進出は、日本企業に新たなビジネスチャンスと収益源を提供します。特にアジア市場は、経済成長率が高く、化粧品の需要も増加しています。これにより、日本企業は現地市場でのシェア拡大やブランド力強化を図ることができます。また、現地市場の消費者のニーズに応じて、新しい製品やサービスを開発することで、競争優位を獲得できる可能性があります。

    ②世界的に評価された日本製品

    次に、日本の化粧品は、高品質であることが世界的に評価されています。これは、日本企業が厳格な製造基準や品質管理を徹底していることに起因します。このため、海外市場での評価が高く、消費者に信頼されます。また、日本製品の独自性や革新性をアピールすることで、他国の企業と差別化を図ることができ、市場での競争力を高めることができます。

    ③グローバルなビジネスネットワークの構築

    また、海外市場への輸出を通じて、日本企業は国際的なビジネスネットワークを構築できます。これにより、現地のパートナーやサプライヤーとの協力関係を築くことができ、新たなビジネスチャンスの創出やコスト削減につながります。さらに、海外の知識や技術を取り入れることで、企業のイノベーション力を向上させることができます。

    ④経営基盤の安定化

    さらに、輸出を通じて、日本企業は外貨収入を増やすことができます。これにより、企業の収益性が向上し、経済の安定化に貢献できます。また、海外市場での成功が国内市場での信用力を高めることもあります。

    化粧品を海外に輸出する際のコツ

    化粧品業界は競争が激しく、新規参入者にとっては困難な市場であることが多いです。しかし、海外市場への進出を考える際、適切な戦略と計画を立てることで成功への道筋をつかむことが可能です。ここでは、化粧品を海外に輸出する際のコツについて解説します。

    ①ターゲット市場の選定

    まず、ターゲット市場の選定が重要です。化粧品は文化や習慣によって需要や好みが大きく異なるため、市場調査を行い、自社の製品が受け入れられる可能性が高い国や地域を選ぶことが重要です。

    ②製品の安全性の確保

    次に、製品の品質や安全性を確保することが必要です。特に海外市場では製品の安全性に対する要求が高く、各国の法規制や基準に準拠しなければならない場合があります。したがって、国際基準に適合した製品開発と品質管理が必要です。

    ③適切な価格設定・ブランディング

    また、製品の価格設定やブランディングも重要です。海外市場では現地の消費者の購買力や価値観を考慮し、適正な価格設定を行うことが求められます。さらに、ブランディングにおいても、現地の文化や嗜好を理解し、伝えることが重要です。

    ④現地パートナー

    輸送や物流の面でも、適切なパートナー企業との連携が鍵となります。信頼できる輸送業者や代理店、現地法人と協力して、効率的かつスムーズな輸出プロセスを確立することが求められます。

    ⑤現地でのプロモーション

    さらに、現地市場でのプロモーション活動も重要な要素です。オンラインマーケティングやSNSを活用して、ターゲットとなる顧客層にアプローチし、製品の認知度や魅力を高めることが必要です。

    ⑥戦略の柔軟性

    最後に、海外市場でのビジネスの成長には、柔軟でアクティブな戦略が不可欠です。現地市場の状況や競合他社の動向に敏感に対応し、戦略を見直すことが重要です。

    化粧品輸出に必要な準備

    化粧品は日本の法律、医薬品医療機器等法(薬機法)の規制対象となっており、以下の3つの場合のように、条件に応じて必要なライセンス取得や届出の提出が必要となっています。

    1. 国内流通品をそのままの形で輸出する場合、薬機法の許可・届出は不要です。
    2. 国内流通品のラベルやパッケージを変更して輸出する場合、「輸出化粧品製造届」を厚生労働省に提出する必要があります。
    3. 輸出向け仕様の製品を輸出する場合、「化粧品製造業」の許可と、上記の「輸出届」が必要になります。

    化粧品輸出には証明書が必要

    欧州やASEAN諸国へ化粧品を輸出する場合に、Good Manufacturing Practice (GMP)証明書が要求されることがあります。この証明書は、化粧品が日本の薬事法に基づき、適切な構造設備のもと、製造管理や品質管理の基準を満たしているということを証明するものです。

    輸出関連書類に関しては

    1. 化粧品製造販売業に関する証明
    2. 化粧品製造業に関する証明
    3. 化粧品製造(輸入)及び販売に関する証明
    4. 製造販売業者の化粧品製造(輸入)に関する証明
    5. 製造業者の化粧品製造(輸入)に関する証明

    等が輸出先国によっては求められることがあります。

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