自動車部品は市場開拓で売上を上げられる?現状と課題を解説!

 

目次

    自動車部品メーカーは新事業の開拓に積極的に取り組んでいます。電気自動車(EV)の市場が急速に拡大したため、伝統的な内燃機関自動車部品の需要がますます減少しているためです。 コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化などの新しい技術の導入により、自動車産業は大きな変化を経験しており、部品メーカーもこのような変化に合わせてビジネスモデルを拡大しなければ生き残ることができなくなりました。電気自動車(EV)の彗星のような登場で、従来の内燃機関車の立ち位置がますます狭くなる中、部品メーカーは新たな収益源を見つけて生き残るしかない状況になっています。帝国データバンクの調査によると、自動車とその部品を合わせた出荷額は年間62兆円を超え、日本全体の製造業の20%近くを占めています。 日本の産業の根幹を担う自動車産業の抜本的な構造改革は社会全体に大きな波及効果をもたらすだけに、新事業の開拓に乗り出す自動車部品メーカーに対する政府の支援も積極的に行われるべきでしょう。

    地域ごとの市場

    欧州連合は、2050年までに内燃機関車の新規販売を全面規制するという法案を推進中と言われています。 このような動きは、自動車市場のEV化をさらに加速させるものと考えられます。 また、米国と中国はEV車両を対象に100万円レベルの政府補助金を支給し、消費者がよりリーズナブルな価格でEV車両を購入できるようにし、政府主導のEV普及を急いでいます。ハイブリッド車(HV)を攻略していたトヨタ自動車も戦略を修正する必要性を認め、世界的なトレンドを反映して電気自動車開発とバッテリー技術の研究開発に注力すると発表しました。電気自動車の普及初期には、バッテリーの耐久性、航続距離、リチウムのような希少鉱物などバッテリーの原料供給問題など、EV生産に対して多くの問題点が指摘され、EVが完全に内燃機関車を置き換えるのは難しいという意見が一般的でしたが、継続的なバッテリー技術の研究開発の成果で航続距離とバッテリー充電効率が大幅に上昇し、リチウムイオンいらずでバッテリーを生産できる可能性が提示され、以前のようなEV普及の否定的な意見は跡形もなく、市場はますます楽観的な見通しを強めています。

    部品メーカーの動向

    部品メーカーは、長年培ってきた技術とノウハウを活かし、生活用品の開発や移動サービスの開発など、新たな事業を模索しています。日用品、食品、医療、介護などの自動車に関係のない業界への再構築を検討している自動車部品メーカーも増えています。このような変化は、自動車部品はその汎用性が高く、他の産業分野でも活用できるため、可能な戦略といえます。1台の完成車を製作するためには約3万個の部品が必要と言われていますが、小型で精密な部品が多い分、部品メーカーは強い技術競争力を持っています。内燃機関車が沈没し、EVが驚異的なスピードで成長するなど、激変の時期にある自動車市場に適応するために、部品メーカーは自社のどの製品がどの産業で効果的に使用できるかを綿密に検討しなければならないでしょう。

    EVカー市場

    電気自動車は構造がシンプルで、約3万個の部品が必要な内燃機関車に比べ、EVは1万個の部品で組み立てられると言われています。部品数が減り、製造工程の効率化を実現したことは、完成車を市場に供給する企業にとっては高いEBITDAを確保できる目覚ましい成果ですが、同時に自動車部品製造の下請け企業にとっては致命的な問題になりかねず、特に内燃機関関連部品を作るサプライヤーにとっては直接的な存続問題にもなり得ます。こうした変化の中で、自動車部品の精密加工技術は他の産業で品質とコスト競争力の源泉になると思われます。医療機器や建設資材製造分野でも内燃機関自動車用の部品製造技術を活用できるそうです。

    例えば、スイッチやシートベルトなどを専門とする東海理化は、新規事業開拓のための専門部署を設立したそうです。 同社は、自動車部品に使われるマグネシウム合金を活用してアウトドア用品を開発したり、スマートフォンを鍵の代わりに使う「デジタルキー」を宅配ボックスなどに適用するなど、新規事業の可能性を模索しています。

    電気自動車が主導する新しい自動車市場では、既存の自動車部品メーカーがどのように新しい道を模索するのか、そしてその過程でどのような新規事業が登場するのか、注目する必要があるのではないのでしょうか。電気自動車時代の到来は、自動車部品メーカーに大きな変化を要求しています。このような状況で、各社は自社の技術力とノウハウを活用して新規事業を開拓し、他の産業分野での活用可能性を探さなければなりません。 既存の経路から離れて新しい方向に進む過程は容易ではありませんが、そうすることで新たなチャンスを見つけることができるでしょう。

    政府の対応

    政府は、新しいビジネスモデルを開発し、新しい時代にふさわしい成長原動力を得て社会に付加価値をもたらす企業に対して「事業再構築補助金」を支給しています。「事業再構築補助金」は、コロナウイルスの拡散による経済的影響を受けた企業や自営業者を支援するプログラムですが、補助金支給対象を包括的に選定するため、自動車部品製造会社が新しいビジネスモデルを構築する際にも活用できます。

    事業再構築に必要な費用の一部を支援するもので、企業の規模や事業計画によって支援される金額が異なります。規模によっては数億円の補助金を申請することができ、補助金支給対象に採択される確率も40%以上と高いため、事業構造転換を検討している企業であれば、積極的に事業再構築補助金を活用することをおすすめします。他にもものづくり補助金など、申請できる補助金制度は様々ありますので、詳細を確認してみましょう。

    • 事業再構築補助金公式サイト: https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
    • ものづくり補助金総合ガイド: https://portal.monodukuri-hojo.jp/

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