米輸出ビジネス成功への道!最新情報と戦略

 

目次

    日本産コメは、国際市場でのシェア拡大を目指すものの、高い生産コストや競合他国との価格差がハードルとなっています。しかし、日本産コメの品質は海外市場でも高く評価されており、安全性や味わいを重視する消費者層から支持を集めています。近年は台湾やシンガポールをはじめとした東南アジア諸国への輸出が伸びており、中国や米国にも進出しています。イベントやマーケティング活動などで、新たな市場を攻略し、輸出量を増やす狙いです。

    アメリカの米不作による日本の米の需要

    今まで日本の米の輸出は不況に陥っていましたが、2023年夏、日本の米の輸出量が、2023年1月から5月までの累計で前年同期比で3割増加し、過去最高の伸び率を記録しています。これは、主要な米生産地である米国が天候不順に見舞われ、米の収穫不作が起きたためです。米国内の米不足により国内価格が上昇し、これに伴って日本産の米と価格差が縮まり、日本の米が米国市場で引き合いを強めています。この状況下で、日本国内の米市場が縮小している中、米輸出の拡大が新たな需要を生み出しています。

    農林水産省によると、1月から5月までの累計輸出量は1万3371トンで、前年同期比で3割増加しました。輸出金額も同期比で33%増の34億300万円となりました。この傾向は、コメの需要と供給のバランスが大きく変動した結果であり、日本のコメ輸出が積極的に進められていることを示しています。

    今後も天候や市場状況によって変動はあるかもしれませんが、現段階では日本のコメ輸出は好調を維持しており、国内市場の縮小に対抗する一翼を担っています。

    貿易規制や品質保証への対応

    貿易規制への対応は、日本の米の輸出拡大にとって重要な課題です。輸出先国ごとに、品質や安全性に関する厳格な基準が設けられており、これらの基準をクリアすることが求められます。具体的には、農薬や残留物に関する規制や、品種や精米度等に関連する基準を満たす必要があります。

    品質保証は、日本の米が世界市場で競争力を維持・向上させるために不可欠です。輸出先である国々は、消費者が安心して日本米を購入・消費できることを確認するため、品質管理体制の整備や、品質保証のための認証制度などの対策が必要です。

    米を輸出するには以下のルールを守らなければなりません。

    輸出手続き義務: 食糧法に基づき、お米を海外へ輸出する際には、事前に最寄りの農政局管内の窓口へ輸出数量の届出を行うことが義務付けられています。ただし、個人的使用や非商業的な目的の輸出はこの対象外です。

    植物検疫: 輸出先国によっては、植物検疫上の理由で日本からの輸出が禁止される場合や条件が付される場合があります。詳細は植物防疫所のホームページで確認できます。

    放射能検査証明と産地証明: 東京電力福島第一原子力発電所の事故に関連して、放射能検査証明や産地証明が必要な国や地域があることがあります。

    中国への輸出: 中国へのお米の輸出には特別な条件があります。指定精米工場での精米と登録温蒸倉庫での蒸米が行われる必要があります。また、携行品や郵便での輸出は基本的に認められていません。

    もみの輸出: もみ(種子)を輸出する場合、品種や相手国によって育成者権者の許諾が必要な場合があることに注意が必要です。

    米輸出ビジネスの進め方

    米輸出ビジネスの実践方法を以下に紹介します。

    ①市場調査:輸出先国の消費傾向や需要を把握することが重要です。

    ②ブランド戦略:SNSなどで独自のブランドを確立し、消費者にアピールします。

    ③輸出手続きの確認:輸出に関する手続きや必要書類を確認し、適切に対応します。

    ④品質管理:品質が安定し、衛生面が向上することで、消費者の信頼を獲得します。

    ⑤マーケティング活動:輸出先で広報やイベントを行い、知名度を上げます。

    ⑥販売網の構築:現地の流通業者と連携し、販売網を確保します。

    ⑦長期的視点での取り組み:市場の変化や競合他社の動向に対応し、事業を進めます。

    農林水産省「米海外市場拡大戦略プロジェクト」

    農林水産省は平成29年度、米の輸出量が減少していることから、「米海外市場拡大戦略プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは米・米加工品の輸出をサポートするプラットフォームとして位置づけられています。

    このプロジェクトにおいて、農林水産省は産地と輸出事業者のマッチングや海外規制動向の情報提供などのサポートを行い、品目団体は海外マーケットの情報発信や専門家による相談対応を行い、また輸出関連予算を活用して、産地と輸出事業者の協力による海外需要開拓や規制対応を強力に推進しています。

    現在は戦略的輸出事業者として112事業者が参加しており、目標数量合計は16.6万トンと設定されています。

    戦略的輸出基地には団体・法人157産地、都道府県単位の集荷団体等8団体、全国単位の集荷団体等1団体が参加しています。

    現在も、まだ輸出事業者及び産地の団体・法人の参加を引き続き募集しており、サポートを受けるにはとても良い機会です。

    農林水産省:https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/kome_yusyutu/kome_yusyutu.html

    米輸出の今後の展望とまとめ

    今後の米輸出の展望としては、技術革新や海外市場でのイベント・プロモーション活動の効果により、輸出量がさらに拡大することが予想されます。また、農業のスマート化や遺伝子編集技術の進歩、消費者ニーズに応じた商品開発など、米輸出拡大のための様々な取り組みが積極的に進められることが期待されます。

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    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。