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メキシコの商品別の輸出入構成比
メキシコは製造業を基盤とした輸出型経済を展開しており、特に自動車・電子機器・エネルギー関連の製品が中核を占めています。以下に、2023年の貿易統計に基づく商品別の輸出入構成比をまとめます。
商品別輸出構成比(2023年)
品目 | 構成比(輸出全体) |
---|---|
自動車 | 17.1% |
石油・石油製品 | 8.7% |
電気回路(半導体等) | 6.1% |
コンピュータ | 5.2% |
自動車部品 | 4.6% |
その他の機械類 | 4.4% |
輸出用トマト | 2.9% |
鉄鋼 | 2.5% |
電気機械 | 2.3% |
医療機器 | 1.9% |
※製造業関連が輸出全体の約89%を占める構造となっています。
商品別輸入構成比(2023年)
品目 | 構成比(輸入全体) |
---|---|
自動車 | 15.2% |
電気回路(半導体等) | 10.3% |
石油・石油製品 | 9.5% |
コンピュータ | 7.4% |
自動車部品 | 6.0% |
その他の機械類 | 5.9% |
電気機械 | 4.7% |
鉄鋼 | 3.8% |
医薬品 | 3.0% |
プラスチック | 2.6% |
メキシコとの貿易における留意すべきポイント
メキシコとの輸出入取引を行う際には、関税制度や通関手続きが他国と異なる点が多く、各種許認可・登録・書類の事前準備が欠かせません。ここでは、特に重要な実務上の留意点をまとめて解説します。
1. 輸出入に必要な申請・登録制度
メキシコでは、輸出入を行うには主務官庁への許可申請と事前登録が必要です。取扱品目や業種に応じて、複数の官庁への申請が必要になる場合もあります。
主な輸出入関連官庁
官庁名 | 主な対象品目・管轄分野 |
---|---|
経済省 | 一般工業品、登録管理、IMMEX、PROSEC制度 |
SAT税関総局 | 通関管理、電子システム運用 |
国防省 | 銃器、爆発物、軍需関連品 |
環境・天然資源省 | 化学物質、環境影響品目 |
農業・地方開発省 | 農産品、食品、植物 |
保健省 | 医薬品、医療機器、食品安全 |
エネルギー省 | 石油、天然ガス、電力関連 |
公共教育省 | 書籍、教育資材など特定物品 |
必要な登録制度の例
登録名 | 内容・対象 |
---|---|
一般輸入業者登録 | 輸入を行う全ての企業に必須 |
通関士登録 | メキシコ国内で通関を行う代理人の資格制度 |
IMMEXプログラム | 輸出向け製造業者への税優遇制度(旧マキラ制度) |
PROSEC | 特定産業向けの関税優遇登録制度 |
部門別輸出入登録 | 鉄鋼・繊維・農産品等、特定品目の扱いに必要 |
2. デジタル化された通関手続きと電子書類
2012年以降、メキシコではペーパーレス通関(通称:VUCEM)が導入され、書類の電子化と事前申告が義務付けられています。輸出入者は以下の準備が必要です。
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単一窓口(Ventanilla Única)へのユーザー登録
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デジタル印章(Sello Digital)の取得
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インボイスや各種証明書のPDF送信による事前申告
3. 輸入時に必要な主な書類
輸入通関では、以下の書類が電子データ形式で税関に提出されます。品目や取引内容に応じて追加書類が求められるため、事前確認が不可欠です。
書類名 | 内容・注意点 |
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インボイス | 商品価格の証明。電子データ送信が必須 |
船荷証券(B/L)またはAWB | 輸送形態に応じた輸送証明書 |
原産地証明書 | FTA特恵関税適用や規制対象回避に必要な場合あり |
非関税規制対応証明 | 医薬品・農産品・繊維等で求められる許認可証 |
推定価格保証金証明 | 中古車・中古機器等の輸入時に必要なケースあり |
識別・分析関連情報 | 化学品・食品など、規制品目で求められることがある |
4. 輸出時に必要な主な書類
輸出時にも、以下のような電子書類の事前提出が必要です。
書類名 | 内容・注意点 |
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インボイスまたは価格証明書 | 必須書類。PDF形式で送信 |
非関税輸出規制証明 | 特定品目で必要な場合あり(医薬品・希少金属等) |
5. 実務上の注意点とアドバイス
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メキシコの制度は頻繁に通達ベースで変更されるため、現地通関業者との連携が不可欠です。
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IMMEXやPROSECなど、制度をうまく活用すれば関税・VATが大幅に軽減される可能性があります。
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日本とメキシコはEPA(経済連携協定)を締結しており、原産地証明書を整備すれば関税ゼロでの輸出入が可能な品目も多数存在します。
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