海外市場調査の基本、失敗しないやり方を徹底解説

 

目次

    海外市場調査とは、海外進出する上で非常に大切な土台となるものです。円安が続いている現在、今まで取り扱ってこなかった輸出業務への参入を検討する日本企業も増加してきています。

    とはいえ海外進出に慣れている企業も初めての企業も、失敗すると貿易の最初のステップでつまづくことになるので不安が伴います。

    本記事では「海外市場調査の基本」として、日本企業が海外市場調査をする際に押さえておくべきポイントを簡潔にご紹介いたします。

    海外市場調査の必要性

    市場調査は余分な費用を最小限にしたまま、海外進出で確実に成功するために必要となります。国内での市場調査との違いはやはり、未知な部分の多さから相当な時間とコストがかかってしまう点です。懸念を軽減するためにも、下記を参考にして頂きたいと思います。

    海外市場調査における6つの分析

    市場調査には6つの分析対象があります。①自社分析②市場分析③消費者分析④競合分析⑤パートナー分析⑥法規制分析です。①以外の全てにおいて、国内とは異なる分析が求められます。

    ①自社分析

    まずは①から、自社の強み・弱みを改めて見直します。このステップを踏むことで、②〜⑥で情報過多になった際に原点回帰を図ることができる為です。

    具体的には自社の海外輸出経験の有無や、当該知識のある社員の有無、輸出用に使える資金、自社商品の強み、海外での自社の認知度などを振り返りましょう。

    ②市場分析

    次に②市場分析です。①で明らかになった自社の強みが活かせる国・地域かどうかを幅広く調べます。漏れなくダブり無く、的外れな市場調査を防ぐことに繋げる為です。

    具体的には商品カテゴリの市場規模だけでなく、その国・地域の景気や政治状況などマクロなリサーチも合わせて行います。この際、現地政府など公的な機関が公表している統計資料やデータを用いましょう。

    ③消費者分析

    次は③消費者分析です。②で設定した国の消費者が実際に自社商品を手に取る構図が描けるか、調べていきます。なぜなら②でどれ程市場規模が大きそうだと分かっても、その商品を消費者が手に取る理由が日本とは全く異なり得るためです。その国独自の嗜好や文化に柔軟に対応しなければなりません。

    具体的には購買決定要因(KBF=Key Buying Factor)購入意思決定者(DMU=Decision Making Unit)購入チャネルを正確に設定する必要があります。

    ④競合分析

    次に④競合分析です。競合が既にたくさんある場合、自社との差別化を図ることは不可欠になる為、まずは競合他社のリストアップを作成しましょう。

    項目としては商品の売上、価格、生産方法、組織体制などが挙げられます。売れ筋を把握し、③の消費者分析にも情報を追加していくと良いでしょう。

    ⑤パートナー分析

    次に⑤パートナー分析です。初めての海外進出の際に非常に大事になってくるのが、現地企業とのパートナーシップです。現地企業に流通・生産業務の担当や、現地でないと得られない情報の提供を任せられるというメリットがあるからです。

    パートナー分析では④の競合調査と一緒に行い、国際業務に慣れた企業かを見ていきます。

    ⑥法規制分析

    次に⑥法規制分析です。国によって規制対象の原材料などが異なるため、自社の商品が対象品目でないかを再確認しましょう。

    ライセンスや許認可が必要な場合は取得までの期間を調べ余裕を持った計画を立てます。海外では法制度が頻繁に改定されることがあるので、常に最新の情報を追いましょう。

    海外市場調査における注意点

    海外調査に際しては言語・地理的側面からの注意点もあります。

    ①言語の問題

    海外市場調査をする上で壁となってしまうのが、言語の問題です。デスクトップリサーチでは現地政府や公的機関が出す統計資料は有用な一方で、現地語で書かれていることがある為です。

    公用語が英語やスペイン語やフランス語の場合だけでなく、アジア・アフリカ諸国の公文書は現地語で書かれていることがあります。また、実際に現地へ市場調査に訪問する際には更にビジネスレベルでの言語スキルが不可欠となるからです。

    社内に現地語の話せる人材がいれば問題ありませんが、マイナーな言語となると中々そのような人材を常に保持しておくことは難しいです。ですから企業によってはあらかじめ現地で市場調査要員を雇う、もしくは日本で海外市場調査を専門とする外部企業に委託するといった手段が取られています。自社内で一から市場調査を行うためにかかるコストへの投資と考え、外部サービスも活用してみましょう。

    ②地理的な問題

     言語と並び、地理的な問題も難しい点です。国によってはエリアごとに宗教や民族が違う為、現地でのフィジカルな市場調査は同じ地域だけでは不十分だからです。空港から調査地まではインターネットで調べられても、現地国内を移動する際は日本人では分かりにくいローカルなルートを使う場合もあり、安全上でもリスキーです。

    余分な時間やリスクを最小限にするためにも、先述したような外部サービスの活用を積極的に検討してみると良いでしょう。

    海外市場調査に向けて

    今回は日本企業が海外市場調査をする際の基本と注意事項についてお伝えしました。冒頭で述べた通り、海外市場調査は慎重に取り組むべき大変な作業ですが、成功すれば予想もできないハイリターンの可能性が秘められていることも事実です。丁寧に手順を踏むことで、企業の飛躍につなげましょう。

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