【2025年更新】ガーナ輸出の基礎知識(輸出品)

 

目次

    ガーナは西アフリカの経済大国であり、多様なビジネスチャンスがあります。主な輸出品はカカオ石油で、これらの輸出が経済成長に大きく貢献しています。また、ガーナ政府は外国企業への投資を歓迎し、魅力的な投資環境を提供しています。ガーナの輸出市場への参入には綿密なリサーチと適切な戦略が必要だが、成功すれば大きな利益を享受できるでしょう。

    ガーナ:西アフリカの国

    ガーナは、西アフリカのギニア湾に位置し、豊かな野生生物、歴史的要塞、静かなビーチ(ブスア等)で知られています。日本では「ガーナミルクチョコレート」のカカオ産地としてよく知られており、今回は基礎情報と貿易の魅力を紹介します。

    項目 内容
    正式名称 ガーナ共和国(Republic of Ghana)
    人口 約3,506万人(2025年7月推計)
    面積 約238,537 km²(日本の約2/3)
    首都 アクラ
    言語 英語(公用語)、アカン語など多数
    民族 アカン系45.7%、モレ・ダグバニ18.5%、
    エウェ13.9%、ガ=ダングミ7.1%、その他
    宗教 キリスト教約71.3%、イスラム教約19.9%、伝統宗教・その他
    主要産業 農業(カカオ豆)、鉱業(金、マンガン、ボーキサイト)、石油・天然ガス

    ガーナは世界有数のカカオ生産国であり、金や石油など資源にも恵まれています。2025年上半期の輸出額は約137億ドルに達し、そのうち金が約83.8億ドル(総輸出の約61%)、カカオが約21.6億ドル、石油が約13.6億ドルを占めています。その結果、貿易黒字は約55.7億ドルとなり、輸出主導の好調な経済状況が示されています。

    特に金の輸出は急増しており、前年同期のほぼ2倍に達しました。これは、国際金価格の高止まりと小規模鉱山者の生産増加が要因とされています。一方、カカオも2025年前半に約21.7億ドルを稼ぎ、2024年同期の7.6億ドルから大きく増加しました。ただし、違法採掘による農地破壊や環境悪化の影響で、持続性には課題も残されています。

    政府は金取引の規制強化を進め、2025年5月1日以降、外国人による金の購入や取引を禁止し、小規模鉱業者の収益の透明化と税収確保を目指しています。さらに、カカオ部門の改革や規制当局の再編計画も進行中です。

    ガーナは「金」と「カカオ」に代表される一次産品輸出に強みを持つ一方で、製造業や観光業の育成にも注力しています。教育やインフラ開発、観光資源の整備を通じて、経済の多角化と地域活性化が期待されています。

    日本とガーナの貿易状況(輸出品)

    ガーナの主要輸出品はカカオ豆で90%以上を占め、日本への輸出品には自動車などが含まれています。

    年度 日本の輸出額・主要品目 日本の輸入額・主要品目
    2024年 約198.8億円
    主要品目:自動車(構成比41.1%)、
    一般機械(15.8%)、タイヤ・チューブ(11.3%)
    約144.9億円
    主要品目:カカオ豆(構成比90.5%)、
    アルミニウム(7%)

    ガーナでは、「ガーナミルクチョコレート」の原料となるカカオ豆が輸出の中心品目で、輸出額の90%以上を占めています。また、日本からは自動車を中心とした機械類やタイヤなどの輸出が行われ、両国間の貿易関係を通じて自動車産業や食品加工分野でも連携が進んでいます。

    さらに、ガーナ国内では15年以上続く「ガーナよさこい祭り」や柔道・空手大会などが大使館主導で開催されており、日本文化への関心が高まっています。こうした文化交流も貿易関係と連動し、日本とガーナの交流を深めています。

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    ガーナ貿易・輸出のトレンド

    近年、日本企業によるガーナとの貿易・輸出が活発化しています。両国の経済関係が強まる中、以下のトレンドが見られます。

    インフラ整備: ガーナ政府がインフラ整備に力を入れており、日本企業もその一翼を担っています。主に道路や橋の改修、水道・下水道整備、電力インフラ等が対象です。

    自動車産業の展開: トヨタや日産などの日本自動車メーカーが、ガーナに生産拠点を設ける動きが加速しています。これにより、現地生産の日本車が増えることが予想されます。

    農業支援: ガーナでは農業の発展が国の成長戦略の一つであり、日本企業も農業支援を積極的に行っています。技術移転や農業機械の提供などが実施されています。

    製造業の進出: ガーナは労働力が豊富であり、製造業の進出が加速しています。電子機器やプラスチック製品など、多岐にわたる日本企業が現地に工場を建設しています。

    ICT分野での協力: ガーナ政府はICT分野の発展を重視しており、日本企業も協力の手を差し伸べています。ネットワークインフラやソフトウェア開発など、様々な分野での取り組みが進行中です。

    これらのトレンドにより、日本企業とガーナとの貿易・輸出がさらに拡大することが期待されます。将来的には、両国のビジネスチャンスが広がり、経済発展に繋がるでしょう。

    ガーナ向け輸出品の手続き

    ガーナへの輸出に関しては、輸出関連法に従って特定の商品に制限が適用される場合があります。

    伝統的な産品、例えば金、ダイヤモンド、ボーキサイト、マンガン、カカオ豆、コーヒー、材木、電気などは、為替管理書式A2に記入し、輸出者の銀行に裏書をしてもらった後、発送時に関税検査官に提示する必要があります。

    一方、非伝統的な産品については、輸出者はガーナ輸出書式に記入し、銀行や輸出港から取得し、輸出時に税関に提出する必要があります。非伝統的輸出品は、上記の加工品および他のすべての製品を含みます。

    また、骨董品、野生生物、生鮮植物、ペットなどの輸出には、それぞれガーナ美術館・博物館・記念建造物委員会、猟鳥獣・野生生物局、食糧農業省植物保護規制局から許可を得る必要があります。

    輸出に必要な書類一覧

    非伝統的輸出品の輸出に必要な書類は以下に示します。

    ・ガーナ輸出促進庁への登録

    ・非伝統的輸出の書式の取得

    ・海運会社または航空会社による貨物運輸委託書(IDG)

    ・梱包明細書

    ・インボイス

    ・原産地証明書(EU向け、一般特恵関税制度(GSP)加盟国向け、アフリカ成長機会法(AGOA)用輸入許可など)

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    ガーナにおける貿易・輸出のまとめ

    アフリカ大陸で著しく経済成長が続く国々の中で、特に目が離せないのがガーナです。日本と言えばカカオ豆の産地として有名ですが、その他にも鉄鋼や原油産業など、今後ますます重要性が高まる産業も担っており、今後のさらなる発展が期待されます。

    またガーナは、ガーナよさこい祭りなどを通じて日本の文化に接触する機会が増え、日本に対する関心も高まっています。これからどのようなビジネスチャンスが生まれるか、今後が非常に楽しみな国です。

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