【2026年最新】輸出規制リストとは?リスト規制15項目と外国ユーザーリスト835団体を徹底解説

海外へ製品を輸出するとき、自社の製品が輸出規制リストに載っているか、取引先が規制対象の企業ではないかを確認する作業は、企業規模を問わず輸出者自身に課された義務です。輸出規制リストには「何を輸出するか」を定める品目のリストと、「誰に輸出するか」を示す取引先のリストの2種類があり、どちらか一方の確認だけでは不十分です。さらに、経済産業省の外国ユーザーリストは2025年10月に835団体へ拡大し、同じ時期にキャッチオール規制も見直されました。米国では関連会社まで規制対象を広げる50%ルールが、2026年11月10日に再適用される予定です。

本記事では、輸出規制リストの法的な位置づけ、リストに載らない貨物を対象とするキャッチオール規制、外国ユーザーリストと米国エンティティリストの最新動向、違反時の罰則と実務での確認手順までを、経済産業省などの一次資料に基づいて整理します。

輸出規制リストとは?安全保障貿易管理における位置づけ

このセクションでは、日本の輸出規制リストがどの法令に基づき、どのような品目を対象としているかを解説します。まず全体の構造を押さえることで、後述するキャッチオール規制や取引先リストとの違いが明確になります。

輸出規制リストの法的根拠(外為法・輸出令・外為令・貨物等省令)

日本の輸出規制は、外為法(外国為替及び外国貿易法)を根拠法としています。外為法の下に政令があり、規制対象となる貨物の種類は輸出令(輸出貿易管理令)の別表第1に、技術の種類は外為令(外国為替令)の別表に定められています。さらに具体的な性能や仕様は、貨物等省令(輸出貿易管理令別表第1及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令)で規定されています。

つまり、一般に「輸出規制リスト」と呼ばれるものの中心は、輸出令別表第1と外為令別表の2つです。貨物だけでなく、設計図やプログラム、技術指導といった技術の提供も規制対象に含まれるため、モノを出荷しない取引であっても確認が必要になります。

リスト規制の対象品目:輸出令別表第1の1〜15項

輸出令別表第1は1の項から16の項までに区分されており、このうち1〜15項がリスト規制、16項がキャッチオール規制の対象です。1〜15項の区分は次のとおりです。

  • 1項:武器
  • 2項:原子力、3項:化学兵器、3の2項:生物兵器、4項:ミサイル
  • 5項:先端材料、6項:材料加工、7項:エレクトロニクス、8項:電子計算機
  • 9項:通信、10項:センサー・レーザー、11項:航法装置、12項:海洋関連
  • 13項:推進装置、14項:その他、15項:機微品目

リスト規制に該当する貨物を輸出する場合は、仕向地を問わず経済産業大臣の事前許可が必要です。米国や英国などのグループA向けであっても、該非判定(輸出する貨物・技術が規制対象に該当するか否かの判断)そのものは省略できません。グループA向けでは包括許可などの特例によって手続きが簡素になるだけで、判定の義務は変わりません。

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4つの国際輸出管理レジームとの関係

リスト規制の対象品目は、日本が独自に決めているわけではありません。原子力供給国グループ(NSG)、オーストラリア・グループ(AG、化学・生物兵器関連)、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、ワッセナー・アレンジメント(WA、通常兵器・汎用品)という4つの国際輸出管理レジームが合意した規制品目リストを、各参加国が国内法令に反映しています。

このため、レジーム会合で合意された内容に応じて、輸出規制リストは定期的に改正されます。直近では、国際輸出管理レジーム会合の合意等を反映した改正が令和8年(2026年)2月14日に施行され、ペプチドの合成を行うための装置などが許可対象に追加されました。同じ政令改正では、輸出承認を要する貨物からうなぎの稚魚が削除されています。自社製品が過去に非該当と判定されていても、改正後に該当となる可能性があるため、改正のたびに判定を見直す必要があります。

輸出規制リストに載らない貨物を対象とするキャッチオール規制

輸出規制リストで非該当と判定された貨物でも、用途や取引先によっては許可が必要になります。このセクションでは、その仕組みであるキャッチオール規制(補完的輸出規制)と、2025年10月の見直し内容を解説します。

16項の対象:食料・木材等を除くほぼ全品目

キャッチオール規制の対象となる貨物と技術は、輸出令別表第1の16項と外為令別表の16項に規定されています。16項は「1〜15項に掲げるものを除く」と定められているため、リスト規制で非該当となった貨物・技術のうち、食料や木材等を除くすべてが16項に該当します。

具体的な範囲は、関税定率法別表の第25類から第40類、第54類から第59類、第63類、第68類から第93類、第95類とされています。機械製品であれば、リスト規制に該当しない限り必ず16項に区分されるという結果になります。「リスト規制で非該当=確認不要」ではないという点が、実務で最も誤解の多い部分です。

仕向地の3区分(グループA・武器禁輸国等・一般国)で変わる要件

リスト規制が全地域を対象とするのに対し、キャッチオール規制は仕向地によって要件が異なります。区分は、輸出令別表第3に掲げるグループA(米国、英国、韓国、ドイツなど27か国)、国連武器禁輸国・地域(輸出令別表第3の2)、それ以外の一般国の3つです。

許可申請が必要になる条件は、大きく分けて2種類あります。輸出者が用途や需要者を確認した結果として兵器開発等への関与が判明する「客観要件」(用途要件・需要者要件)と、経済産業大臣から許可申請が必要である旨の通知を受ける「インフォーム要件」です。グループA向けは客観要件の対象外ですが、懸念国等へ迂回輸出されるおそれがある場合に限ってインフォーム要件が適用されます。一般国と武器禁輸国等向けでは、客観要件とインフォーム要件の両方を確認する必要があります。

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2025年10月9日施行の見直しの3本柱

キャッチオール規制の見直しは、2024年4月に産業構造審議会の安全保障貿易管理小委員会が公表した中間報告を受けたものです。関係する政令・省令・告示・通達は2025年4月9日に公布され、同年10月9日に施行されました。見直しの柱は次の3点です。

1点目は、グループA向けにインフォーム要件を新設したことです。2点目は、16項を「16項(1)特定品目」と「16項(2)」に分割し、一般国向けの特定品目について、通常兵器に関する用途要件と需要者要件を新たに追加したことです。特定品目は、工作機械、レーダー・航行用無線機器・無線遠隔制御機器、集積回路、航空機・宇宙飛行体とその部分品、航行用機器、検査用の機器のうち、貨物等省令で定めるHSコードに該当するものです。3点目は、武器禁輸国等向けについて、全品目に需要者要件を追加したことです。

この改正により、HSコード(輸出入申告で使う国際統一の品目分類番号)で特定品目に該当するかを確認する工程が、通常兵器キャッチオールの確認フローに加わりました。自社で扱う品目のHSコードを一覧化しておくと、確認作業を効率化できます。

取引先を照合する輸出規制リスト:外国ユーザーリストと米国エンティティリスト

品目の確認と並んで重要なのが、取引先が懸念のある組織に該当しないかの照合です。このセクションでは、日本の外国ユーザーリストと米国のエンティティリストについて、最新の数値と制度変更を解説します。

外国ユーザーリストの掲載数推移と2025年改正のポイント

外国ユーザーリストは、大量破壊兵器等の開発等への関与が懸念される外国・地域所在団体の情報を、経済産業省が輸出者に提供するものです。2025年9月29日公表の改正(2025年10月9日適用)で、掲載団体は15か国・地域の835団体となり、前回から87団体増加しました。この改正から、通常兵器の開発等に関して取引状況等の確認を要する団体の情報も新たに掲載されています。

掲載団体数は、2017年5月の481団体(13か国・地域)から、2018年5月に529団体、2022年11月に670団体、2025年2月に748団体と増え続けてきました。2017年から2025年10月までの約8年間で約1.7倍に増えたという事実が分かります。

経済産業省は、外国ユーザーリストを参照用の情報であり禁輸リストではないと位置づけています。ただし、需要者がリストに掲載されている場合は、兵器開発等に用いられないことが明らかな場合を除き、輸出許可申請が必要です。掲載団体には別名や表記揺れが併記されているため、照合は社名の完全一致だけでなく、別名欄も含めて行う必要があります。

米国エンティティリストと50%ルールの再適用予定

日本企業が扱う製品でも、米国原産の部品や技術を含む場合は、米国輸出管理規則(EAR)の対象となることがあります。米国商務省産業安全保障局(BIS)が公表するエンティティリストは、掲載された企業・団体への輸出や再輸出に許可を義務付ける米国の取引先リストです。

BISは2025年9月29日、エンティティリストや軍事エンドユーザーリストの掲載企業が直接・間接に50%以上を所有する関連会社にも、同じ規制を自動的に適用する規則(Affiliates Rule、いわゆる50%ルール)を施行しました。その後、米中の合意を受けて2025年11月10日から1年間の効力停止が決まり、BISが追加措置を取らない限り、2026年11月10日に自動的に再適用されます。

50%ルールが再適用されると、リストに社名が載っていない企業であっても、所有構造によっては規制対象になります。取引先の社名照合だけでは確認が完結しないという結果をもたらすため、主要な取引先については株主構成まで把握しておくことが求められます。

輸出規制リストを使った実務チェック手順と違反リスク

ここまで解説した品目のリストと取引先のリストを、実際の輸出業務でどの順番で確認すればよいかを整理します。あわせて、確認を怠った場合の罰則と、最新情報の確認先も紹介します。

該非判定から需要者確認までの4ステップ

輸出規制リストを使った確認は、次の4ステップで進めます。1つ目は、輸出令別表第1の1〜15項に照らした該非判定です。該当すれば、仕向地を問わず許可申請が必要になります。2つ目は、非該当の場合に16項へ区分し、特定品目(16項(1))に当たるかをHSコードで確認することです。

3つ目は、仕向地がグループA、武器禁輸国等、一般国のどれに当たるかの確認です。4つ目は、用途と需要者の確認で、外国ユーザーリストとの照合もここで行います。4ステップのどこかで懸念が判明した場合は許可申請が必要となり、すべてのステップで懸念がないことを確認して初めて許可不要と判断できます。判定の根拠となった資料は、社内で記録として保存しておきます。

違反時の罰則と行政制裁(計算例つき)

経済産業省の資料によると、大量破壊兵器等に関連する無許可輸出の刑事罰は、10年以下の拘禁刑と、法人10億円以下・個人3千万円以下、または目的物価格の5倍以下の罰金です。通常兵器に関連する場合は、7年以下の拘禁刑と、法人7億円以下・個人2千万円以下の罰金(目的物価格の5倍が上回る場合はその額以下)と定められています。なお、2025年6月1日以降の行為には、懲役に代わって拘禁刑が適用されます。

計算例として、価格1億円の大量破壊兵器関連貨物を無許可で輸出した場合を考えます。目的物価格の5倍は1億円×5=5億円となり、個人の上限3千万円を超えるため、個人に科される罰金の上限は5億円になります。法人については、5億円が10億円を下回るため、上限は10億円のままです。

刑事罰に加えて、3年以内の貨物輸出・技術提供の禁止という行政制裁や、違反企業への警告(原則公表)も科されます。安全保障貿易情報センター(CISTEC)は、刑事罰が故意を対象とするのに対し、行政制裁は過失でも科されることがあると説明しています。輸出が事業の柱である企業にとって、輸出禁止は事業継続に直結するリスクです。

最新の輸出規制リストの確認先

輸出規制リストは改正が頻繁に行われるため、確認は必ず最新版で行う必要があります。一次情報の確認先は、経済産業省の「安全保障貿易管理」ページです。ここでは関係法令の改正情報、外国ユーザーリストの最新版、キャッチオール規制の手続きフロー図や客観要件確認シートが公開されています。

注意すべき点として、経済産業省は個別の貨物・技術の該非判定を行っていません。判定は輸出者自身の責任で行うため、メーカーから該非判定書を取り寄せる、CISTECの資料や講習会を活用するといった方法で社内の判断根拠を整える必要があります。米国のエンティティリストや50%ルールについては、BISの公表情報と米国連邦官報(Federal Register)で最新の告示を確認します。

まとめ

輸出規制リストの中心は、外為法に基づく輸出令別表第1と外為令別表です。1〜15項のリスト規制は仕向地を問わず適用され、グループA向けであっても該非判定は省略できません。リスト規制で非該当となった貨物も16項としてキャッチオール規制の対象となり、2025年10月9日の見直しで、一般国向け特定品目への要件追加やグループA向けインフォーム要件の新設が行われました。

取引先の確認では、外国ユーザーリストが835団体へ拡大し、通常兵器に関する懸念団体も掲載されるようになりました。米国の50%ルールは2026年11月10日に再適用が予定されており、社名照合に加えて所有構造の把握が必要になります。違反時には最大10億円の罰金や3年以内の輸出禁止が科され、行政制裁は過失でも対象となります。

輸出規制リストの確認は、品目と相手先の2軸で行って初めて完結します。まずは自社の主要な輸出品目の該非判定書とHSコードを一覧にまとめ、取引先を最新の外国ユーザーリストと照合するところから始めてください。

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