初めての越境ECで気をつけたいこと、流れ・手続きを解説!

 

目次

    越境EC(Cross-Border E-commerce)は、インターネットを通じて国境を越えて商品やサービスを販売するビジネス手法です。世界的なマーケットへアクセスし、新たな収益源を開拓するために、多くの企業が越境ECに取り組んでいます。

    しかし、初めて越境ECを利用する場合、「手続きやルールが複雑でわかりにくい」「始め方が分からない」との声をよく聞きます。

    この記事では、越境ECを始める際に気をつけるべきポイントや手順について解説します。

    越境EC市場の規模

    経済産業省の2018年の調査によると、2018年の世界の越境EC市場規模は6760億ドルであり、2020年には9940億ドル迄に拡大しました。

    同様のデータによれば、日本のBtoC EC市場の規模は約19.4兆円です。世界の越境EC市場は国内市場よりもはるかに大きく、今後もさらなる拡大が予想されています。

    越境ECが注目される理由

    最近の越境EC市場の急速な成長は、コロナショックによる外出自粛の増加が一因とされています。世界的な外出制限やインバウンド市場の大幅な減少により、需要がECサイトへとシフトしています。

    また、スマートフォンの普及が世界中で進んでおり、これも越境EC市場の拡大を促しています。スマートフォンさえあれば、いつでも世界中の商品を簡単に検索・購入できるため、越境ECは広範なユーザーにアピールできるからです。

    越境ECを始めるにあたって

    目標とターゲットを設定する

    まず、越境ECを始める前に明確な目標とターゲットを設定しましょう。どの国や地域に販売したいのか、どのような商品やサービスを提供するのかを決めることが重要です。また、ターゲット市場の需要や競合状況を調査し、マーケットのポテンシャルを把握することも大切です。

    越境ECに適したプラットフォームを選ぶ

    次に、越境ECに適したプラットフォームを選びましょう。例えば、大手のオンラインマーケットプレイス(Amazon、eBayなど)や、専門の越境ECプラットフォーム(Alibaba、Shopifyなど)を利用することができます。各プラットフォームの特徴や手数料、利便性を比較し、自社のニーズに最も合ったものを選びましょう。

    法的・税務上の規制を理解する

    越境ECでは、各国の法的・税務上の規制に準拠する必要があります。例えば、輸入制限や品質基準、消費税や関税などがあります。自社の商品やサービスが販売先国での法的要件を満たしているか、税金の処理方法を確認しましょう。必要に応じて、法的アドバイザーや税理士と協力することも検討しましょう。

    ローカライズと言語対応を行う

    販売先の市場に適したローカライズ(地域化)と言語対応を行うことは重要です。商品説明やマーケティングコンテンツを現地言語に翻訳することで、消費者とのコミュニケーションをスムーズにしましょう。また、現地の文化や習慣に合わせたカスタマーサポートも提供する事も視野に入れましょう。

    ロジスティクスと配送の準備をする

    越境ECでは、ロジスティクスと配送の準備も欠かせません。販売先国への商品の輸送や保管、返品処理などを効率的に行うために、物流パートナーとの契約や物流ネットワークの構築が必要です。国際的な配送ルートや税関手続きについても確認し、円滑な物流体制を整えましょう。

    マーケティング戦略を展開する

    越境ECでは、マーケティング戦略が不可欠です。現地の消費者にアプローチするために、デジタル広告、SNSマーケティング、現地のオンラインコミュニティへの参加などが効果的です。また、現地のセールスプロモーションやイベントへの参加によるブランド認知度の向上も大切です。

    効果測定と改善を継続する

    越境ECを始めた後も、効果測定と改善を継続することが重要です。売上データや顧客フィードバックを分析し、戦略の見直しや改善点を特定しましょう。競合他社の動向や市場の変化にも常に注意を払い、柔軟に対応することが成功の鍵となります。

    越境ECの成功例

    ヤーマン

    ヤーマンは、中国の大規模セール「独身の日」で注目を浴び、越境ECで美顔器の売り上げを伸ばし、大きな成功を収めました。

    2021年の独身の日において、ヤーマンの美顔器「YAMAN Professional MAX」は12億円以上の売り上げを達成し、2位の資生堂化粧水には約5億円もの差をつけました。

    日本の化粧品・美容関連商品は、高品質で高機能なため、世界中で人気があります。独身の日では、特に美容に関心を持つ中国の女性をターゲットに、魅力的なライブコマースを展開し、彼女たちの興味を引くことに成功したと言えるでしょう。

    タビオ

    靴下専門ブランドのタビオは、国内外で約250店舗を展開しており、2021年10月には自社サイトでの越境ECを導入しました。

    越境ECサイトのトップページは、上質なビジュアルで高級ファッションブランドを意識したデザインとなっており、職人の技術と品質の高さを表現しています。

    2022年10月の越境EC売り上げは、中国と台湾の顧客を中心に流通総額が前年同期比で2割以上増加しました。

    まとめ

    初めての越境ECでは、目標設定からプラットフォーム選び、法的・税務上の規制、ローカライズ、ロジスティクス、マーケティング戦略の展開、効果測定と改善など、多くの要素を考慮する必要があります。しっかりと計画を立て、情報を収集し、適切なパートナーやアドバイザーを選定するといった、地道な準備も必要です。以上のポイントに留意しながら、新たな市場への進出にチャレンジしていきましょう。

    越境ECでのビジネスをお考えなら『デジトラッド』

    STANDAGEは独自の貿易クラウドサービスを使い、中小企業の貿易を”まるなげ”できるサービスである『デジトラッド』を提供しています。

    デジトラッド』はIT導入補助金の適用により、低コストでの海外販路開拓が可能です。大手商社ではなしえない小規模小額の貿易や、国内買取対応も可能なので、是非一度お気軽にお問い合わせください。

    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。