【2025年更新】中国輸出の基礎知識(輸出品、輸入品)

 

目次

    中国との貿易は、日本企業にとって大変重要な要素です。まず、世界第二位の経済大国である中国は、多様な市場ニーズに対応できる広大な市場を持っています。これにより、日本企業は新たなビジネスチャンスを開拓でき、収益向上へと繋がります。

    また、近年では中国の技術力も向上し、日本企業は貿易によって技術交流を図り、自社の技術力向上に繋げることができます。 最後に、地理的に近いことから、物流コストや時間を削減することが可能です。これにより、日本企業はより迅速な取引が行えるだけでなく、経済的負担も軽減されます。

    以上の理由から、中国との貿易は日本企業にとって重要性が高いと言えます。この記事では、そんな中国との貿易に関する最新情報や主な貿易品目について解説します。

    中国貿易・輸出の最新情報

    2024年通年の中国の貿易総額は前年比5.0%増の約6兆1,000億ドルに達しました。輸出額は7.1%増の約3兆5,800億ドル、輸入額は2.3%増の約2兆5,900億ドルで、貿易黒字は拡大しました。

    さらに2025年上半期(1~6月)には、輸出が前年比5.9%増、輸入は3.9%減となり、黒字は約5,860億ドルと記録的な水準を記録しました。

    中国向け輸出に影響を与える要因としては、

    ①中国経済の成長鈍化と国内消費の回復遅れ、

    ②ALPS処理水放出に伴う日本産水産物への厳格な通関規制、

    ③日本の半導体製造装置など先端技術品目に対する輸出管理の強化が挙げられます。

    これらが複合的に作用し、日本から中国への輸出には依然として下押し圧力がかかっています。

    一方で、日本の輸出全体は堅調に推移しています。2025年6月には輸出金額が前年比5.8%増と回復を見せ、28カ月連続増を更新した2023年以降の流れを引き継いでいます。

    主なけん引役は自動車関連部品で、世界需要の底堅さを背景に増加基調を維持しています。しかし、中国市場に限れば、国内消費の持ち直しが遅れているため、日本の輸出を大きく押し上げる効果は限定的とみられます。

    特に水産物については影響が顕著です。2024年通年で対中輸出は前年比60%以上減少し、2024年9月の日本から中国への魚介類輸出は前年同月比で約99%減という大幅減を記録しました。

    2025年時点でも輸出規制は続いており、日本政府と中国当局の間で技術的条件に関する協議が進められています。

    総じて、中国との貿易は全体としては黒字拡大と一定の回復傾向が見られる一方で、水産物やハイテク分野など特定品目への規制や中国国内需要の停滞が続いており、日本にとっては引き続き慎重な見通しが必要とされています。

    中国の輸出規制とは?企業に迫る影響と国際対応を徹底解説

    中国の輸出規制とは?企業に迫る影響と国際対応を徹底解説

    中国の輸出規制が国際社会の注目を集めるようになったのは、ここ数年の地政学的な緊張...

    この記事を見る

    関連記事

    中国の主な貿易品目(輸出品、輸入品)

    これまで中国の貿易状況に関して見てきましたが、全体の貿易品目にはどのような品目があるのでしょうか。中国の主な貿易品目は、電気機器、一般機械、精密機器などが挙げられます。輸出入別の詳細については、以下で見てみましょう。

    輸出

    中国の主要輸出品のグラフ

    中国の主要輸出品についてみると、機械類および電気機器(41.9%)、紡織用繊維およびその製品(8.9%)、卑金属およびその製品(8.4%)、雑品(7.3%)、化学工業品(6.9%)となっています。機械類・電気機器が占める割合は大きく、全体の4割となっています。

    輸入

    中国の主要輸入品のグラフ

    一方、中国の主要輸入品は、機械類および電気機器(31.2%)、鉱物性生産品(28.6%)、化学工業品(7.3%)、卑金属およびその製品(5.9%)、植物性生産品(4.2%)となっています。

    中国の主な貿易相手国

    これまで中国の主な輸出入品目に関して見てきましたが、中国の貿易相手国はどのような国があるのでしょうか。主な貿易相手国は、皆様のご想像の通り、アメリカや日本などが挙げられます。輸出入別の詳細については、以下で見てみましょう。

    輸出

    中国の主要輸出国のグラフ

    中国の主な輸出相手国は、アメリカ、ASEAN、EU27、香港、日本が挙げられます。また、上位5つの地域で全体の約6割を占めています。日本は第5位の輸出相手国で、4.8%を占めています。

    輸入

    中国の主要輸入品のグラフ

    一方で、中国の主な輸入相手国はASEAN、EU27、台湾、韓国、日本が挙げられます。これら上位5地域だけで全体の約5割を占め、日本は第5位の6.8%となっています。

    日中貿易について

    日中貿易に関しては、どのような現状なのでしょうか。日本にとって、中国は最も重要な貿易相手国のうちの一国です。また、中国にとっても日本は非常に重要な貿易相手国です。中国における日系企業の海外拠点数は他国に比べてもっとも多く、日中経済はますます密接な関係になっています。

    日中貿易額

    2023年における日中貿易は、ジェトロによる日本の財務省統計と中国の海関(税関)統計を基に、輸入ベースでみると貿易総額は前年から10.4%減の約3,347億ドルとなりました。

    中国からの対日輸入(日本の対中輸出)は前年比13.0%減の1,608億ドル、日本から中国への輸入(中国の対中輸出)は約1,739億ドルと推計されます。その結果、2021年まで5年連続で続いていた日本の対中貿易黒字は赤字に転落しました。

    2024年には、日中貿易総額は44.2兆円(約2,926億ドル)となり、前年に比べ4.7%増加し回復の兆しを見せています。ただし、日本の対中貿易収支は依然として赤字であり、2021年のような黒字の継続には至っていません

    【2025年4月更新】日本とアメリカ貿易動向:トランプ政権下最新情勢

    【2025年4月更新】日本とアメリカ貿易動向:トランプ政権下最新情勢

    日本と米国は、世界有数の貿易相手国同士であり、2025年時点でもその関係は極めて...

    この記事を見る

    関連記事

    主な貿易品目(日本→中国)

    日本から中国への貿易品のグラフ

    日本の対中輸出品(日本→中国)として挙げられるのは、『電気機器およびその部分品』、『原子炉、ボイラーおよび機械類』、『鉄道用および軌道用以外の車両』、『光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器および医療用機器』、『プラスチックおよびその製品』です。

    主な貿易品目(中国→日本)

    中国から日本への貿易品のグラフ

    反対に、日本の対中輸入品(中国→日本)として挙げられるのは、『電気機器およびその部分品』、『原子炉、ボイラーおよび機械類』、『衣類および衣類附属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものに限る)』、『衣類および衣類附属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものを除く)』、『プラスチックおよびその製品』です。

    日中貿易を始めるなら『おまかせ貿易』

    STANDAGEは独自の貿易クラウドサービスを使い、中小企業の貿易を”おまかせ”できるサービスである『おまかせ貿易』を提供しています。

    おまかせ貿易』はIT導入補助金の適用により、低コストでの海外販路開拓が可能です。大手商社ではなしえない小規模小額の貿易や、国内買取対応も可能なので、是非一度お気軽にお問い合わせください。

    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。