アルジェリア貿易・輸出の基礎知識(概況や基礎統計)

 

目次

    アフリカ北西の国アルジェリア

    アルジェリアは、アフリカの北西に位置します。アフリカ大陸で最も広い土地を持ち国土の80%がサハラ砂漠で、国家です。日本人からはあまり馴染みの無い国ですが、今回は基礎データとともに貿易的な側面からアルジェリアについてお伝えします。

    アルジェリアの基礎情報

    基礎データは以下の通りです。

    ・正式名称:アルジェリア民主人民共和国、People’s Democratic Republic of Algeria

    ・人口:4,390万人(2020年05月)*

    ・面積:2,381,740㎢ *世界10位。アフリカ1位。日本の6.3倍

    ・首都:アルジェ

    ・言語:国語、公用語はアラビア語とベルベル語。

    フランス語も国民の間で広く用いられている。

    ・民族:アラブ人(74%)、ベルベル人(25%)、その他(1%)

    ・宗教:イスラム教(スンニ派)

    ・主要産業:石油・天然ガス関連産業

    ・名目GDP総額:2022年 1,936億ドル 世界56位、アフリカ4位

    ・1人当たり名目GDP:2021年 3,659ドル 世界14位

    ・通貨:ディナール

    アルジェリアは1830年から約130年もの期間フランスの植民地支配を受けた歴史があり、現在でもフランス語が民間で広く用いられています。

    日本との貿易状況

    対アルジェリア貿易では、日本からは工業品の輸出が盛んで、輸入は石油がメインです。また、アルジェリアは日本企業にとって大きなプラント市場となっています。

     

    日本の輸出額:214億円(2020年)

    日本の主要輸出品目:鉄鋼、一般機械、自動車等

     

    日本の輸入額:272億円(2020年)

    日本の主要輸入品目:原油および粗油、揮発油、まぐろ等

     

    現地で活動する日本人は比較的少なく、進出日系企業拠点数は不明、在留邦人は77人(2020年10月現在)となっています。

    アルジェリアへの商品の輸出手続き

    アルジェリアでは法律によって自由貿易が保障されています。
    ただ、アルジェリアと日本との貿易は、対エジプトや対ナイジェリアと比べてもあまり盛んではなく、どちらかといえば貿易がしづらい国のうちの一つと言えます。その分アルジェリアとの貿易に関する情報は入手しにくい状況となっております。基本的なポイントをまとめましたのでぜひ参考にしてください。

     

    ★必ず必要な手続き

    ・公認銀行における手形支払場所指定(Domiciliation)の手続き

    全ての貿易取引に必要となります。

    輸入取引に関する手形支払場所指定の手続きには、手数料として輸入額の 0.3%の税金が課され、さ らにサービスの輸入に対しては輸入額の 3%が手形支払場所指定税として徴収されます(2 万 DZD が最低額)。

    再保険サービスについては、この 3%の課税が免除、資本財と原材料(輸入したままの 形で転売されないことを条件とする)の輸入に対しても事前の申請を条件として免税が適用されます。

    (出所:ジェトロ「アルジェリアの経済・貿易・投資」(2018))


    ☆船積み前検査

    L/C または D/P によ る貿易取引に関しては、農産品を対象に衛生管理証明書(certificat phytosanitaire)、商品には品質管理証明 書(certificat de conformité)、さらに原産地証明書を輸出先から入手し提出することが必要となってい る。またこれらの証明書は輸出国の定める認定機関により発行されたものでなくてはならない。

     

    ★輸入ライセンス制度

    「自動ライセンス」と「非自動ライセンス」があります・

     

    「自動ライセンス」:輸入数量制限なし(条件を満たすすべての申請に所管省庁が承認を与える)

    「非自動ライセンス」:輸入数量制限あり

     

    非自動ライセンスの対象品目の選定とその輸入数量に関して は、商務省付各省間委員会が毎年の貿易状況を鑑みて提案し、最終的に商務相が決定して同省のウェブ サイトないし国内プレスを通じて公示されます。

     

    通知ごとに対象品目と申請者に対する輸入割当方式が定め られます。

    申請期間終了後、各省間委員会が輸入申請を審査し、商務省が承認します。

    輸入ライセンスは譲渡不可で、有効期間は基本的に6カ月としています。

     

     

     

    ★輸入規制

    アルジェリア政府は輸入の急増を緩和するため2009年、2010年に輸入規制を設けました。主な内容は以下の通りです。また、2015年には、原油価格の下落により貿易収支が赤字に転落したことから、政府は国内産業の保護と輸入規制をさらに強化しました。

     

    ・外国企業がアルジェリアに投資する際には、外国資本の比率が 49%以下でなくてはならない(ア ルジェリア企業資本比率が 51%以上)。  

     

    ・サービス輸入では支払額の 3%を手形支払場所指定(Domiciliation)税として課税。  中古機械の輸入制限。自動車部品輸入に関して、原産国証明書または自動車メーカーからの製品 認定書等の提出義務。 

     

    ・ 2,500cc 以上の自動車およびトラック・建設機械(車輪付きエンジン)の輸入に対して新たに印紙 税を導入。2,500cc 以上の自動車には 20 万 DZD、22 トン以下のトラック・建設機械(車輪付きエ ンジン)には 34 万 DZD、22 トンを超過するものには 50 万 DZD が徴収される。

     

    ・10 万 DZD 以上の物品の輸入取引は L/C にて支払わなければならない。ただし、工業生産のため の輸入(原材料、生産設備など)に関しては、年間 400 万 DZD を限度に L/C 以外の手段で支払 可能。

     

    ・ 輸入小麦への課税。国内生産者向け購買価格(規制価格)より安価な場合は特別課税となる。

     

    アルジェリア貿易・輸出の基本まとめ

    アルジェリアは、「最後のフロンティア」と呼ばれるアフリカの中でも、GDPが4位、また、年々その値も上がっています。国際通貨基金(IMF)は、2022年の同国経済成長率を4.67%と予測しました。しかし、未だ石油や天然ガスの輸出に頼りきりで、経済の多角化は進んでおらず、将来的に見込まれる経済の成長は大きいと考えられます。

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    伊藤忠商事出身の貿易のエキスパートが設立したデジタル商社STANDAGEの編集部です。貿易を始める・持続させる上で役立つ知識をお伝えします。