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オーストラリアと日本は、世界経済において重要な貿易パートナーです。両国間の貿易は、経済成長と市場開放に貢献しており、製品やサービスの輸出入が盛んに行われています。
オーストラリアは、主要な資源輸出国として有名で、日本への輸出品目には鉄鉱石や石炭、液化天然ガス (LNG) が含まれています。これらの資源は日本のエネルギーセクターや重工業の基盤となっています。一方、日本は高品質の製品を提供しており、自動車や機械、電子機器などがオーストラリア市場で人気を博しています。
政府間の協力も進展しており、日豪経済連携協定 (EPA) が2015年に発効しました。この協定により、貿易の自由化が促進され、企業や消費者にとって有益なビジネス環境が整備されています。
本記事では、オーストラリアの貿易事情に関する最新情報やオーストラリアの貿易品目、貿易相手国、日豪の貿易関係について深掘りしていきます。
オーストラリア貿易・輸出の最新情報(2024年更新)
オーストラリアは日本の南に位置する国で、地理的にアジア諸国が近いことから、経済・外交においてはヨーロッパよりもアジア各国とのつながりが深い国となっています。例えば、アジア太平洋地域21の国と地域が参加しているAPEC(アジア太平洋経済協力/Asia-Pacific Economic Cooperation)は、かつてのオーストラリア首相がアジア諸国との経済連携を提唱して作られました。
オーストラリアとの「日豪経済連携協定(日豪EPA)」とは
まず初めに、経済連携協定とは何かご存じですか。経済連携協定とは2以上の国(又は地域)の間で、自由貿易協定の要素(物品及びサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野、例えば知的財産の保護や投資、政府調達、二国間協力等を含めて締結される包括的な協定です。日本は、現在18カ国とこの協定を締結し、オーストラリアとは2015年から発行しています。
また、この協定は、日本とオーストラリアが互いに協力し合い、アジア太平洋地域の経済統合を進めることにも貢献しています。さらに、環境や知的財産権、雇用・労働条件などの分野でも協力を深めることを目指しており、両国間の関係をより強固なものにしています。
このように、「日豪経済連携協定(日豪EPA)」は、オーストラリアと日本間の経済関係をさらに発展させるための重要な枠組みであり、両国にとって多くの利益をもたらすことが期待されています。
2023年2月のオーストラリア貿易事情
2022年のオーストラリア統計局(ABS)による統計によると、2022年9月の貿易収支は黒字で、黒字幅も拡大したことから、貿易の安定性がうかがえます。さらに、2023年はより拡大の一途を辿り、2023年2月の貿易収支(季節調整値)は、138億7,000万豪ドル(約1兆2,261億円)の黒字となっています。
2023年4~6月のオーストラリア貿易事情
財・サービス輸出入額
オーストラリア統計局は、2023年第2四半期(4~6月)の財・サービス貿易収支統計を8月に公表しました。財・サービスの輸出額は1,670億8,800万オーストラリア・ドル(約15兆7,062億7,200万円、1豪ドル=約94円)で、前期比で3.7%減少しました。
一方、輸入額は1,349億7,900万豪ドル(同0.6%増加)でした。この結果、財・サービス貿易収支は321億900万豪ドルの黒字となり、前期比で73億100万豪ドル減少しました。
財の輸出に関しては、1,404億5,600万豪ドル(前期比6.1%減少)で、一方で輸入は1,078億5,700万豪ドル(同0.6%減少)となり、財貿易収支は325億9.900万豪ドルの黒字を記録しました。
品目別の分析
品目別に分析すると、輸出において主要な品目である鉄鉱石・鉱物(440億5,500万豪ドル、前期比9.6%減)、石炭(272億4,100万豪ドル、10.4%減)、燃料(240億6,400万豪ドル、7.7%減)がいずれも大幅に減少しました。
一方、輸入においては、資本財(263億5,500万豪ドル、3.0%減)、中間財・その他(445億5,200万豪ドル、1.2%減)が減少しましたが、消費財(346億8,400万豪ドル、1.6%増加)は増加しました。
資本財の中で、機械・工業製品(92億1,000万豪ドル、2.7%増)、工業輸送機器(48億9,600万豪ドル、0.5%増)に加え、金額は相対的に小さいながらも、民間航空機・関連機器が3割増(13億5,200万豪ドル、29.6%増)でした。通信機械は大幅に減少しました(37億9,200万豪ドル、22.0%減)。
中間財・その他においては、最大の輸入品目である燃料・潤滑油(139億7,700万豪ドル、5.6%減)が減少しました。消費財においては、自動車(97億7,200万豪ドル、2.1%増)が4四半期連続で増加し、食品・飲料(51億3,500万豪ドル、8.1%増)も2四半期ぶりに増加に転じました。
オーストラリアの主な貿易品目
さて、オーストラリアの輸出入品目と聞いて、皆様はどのようなものを思い浮かべるでしょうか。オーストラリアといえば、やはり世界有数の資源大国のうちの一つです。詳しくは以下を見ていきましょう。
輸出
オーストラリアの主要輸出品目は、石炭、鉄鉱石、天然ガス、非貨幣用金、小麦、原油、未加工鉱物、牛肉、ボーキサイトなどとなっています。資源大国なだけあり、燃料や食品などの資源が多く輸出されています。
輸入
オーストラリアの主要輸入品目は、石油精製品、乗用自動車、通信機器・同部品、貨物自動車、コンピュータ、原油、薬剤、医薬品、土木重機・同部品、非貨幣用金などとなっています。自動車や機械類、薬品が多く輸入されているのが特徴です。
オーストラリアの主な貿易相手国
これまでオーストラリアの主な貿易品目に関して見てきましたが、オーストラリアの貿易相手国はどのような国があるのでしょうか。以下で見てみましょう。
輸出
オーストラリアの主な輸出相手国は、中国、日本、ASEAN、韓国、台湾、インド、EU、アメリカなどが挙げられます。全体のシェアのうち、日本は約19.9%を占めており、2番目に大きな輸出相手国となっています。地理的に近い国が輸出相手国に多いことも特徴の一つです。
輸入
オーストラリアの主な輸入相手国は、中国、ASEAN、EU、アメリカ、韓国、日本などが挙げられます。全体のシェアのうち、日本は約5.9%を占めており、6番目に大きな輸入相手国となっていることが分かります。
日本 – オーストラリア間の貿易について
日豪貿易はどのような現状なのでしょうか。日本とオーストラリアは補完関係にあり、貿易相手国として相性が良いと言われています。詳しく見ていきましょう。
歴史的な背景
オーストラリアと日本の経済関係は、両国の異なる強みとニーズの相補性に基づいています。オーストラリアは、食品、エネルギー、鉱物資源において信頼性の高い供給源であり、同時に金融や他のサービス分野でも世界的に評価されています。
日本は1970年代初めからオーストラリアにおける最大の貿易相手国であり、その地位を26年間にわたって維持しています。日本からの投資はオーストラリア経済の発展に重要な役割を果たし続けています。
日豪貿易額
日本とオーストラリアの2021年における貿易額は以下の通りです。
・日本 → オーストラリア 約1兆6,745億円
・オーストラリア → 日本 約5兆7,337億円
・輸出入合計 約7兆4,082億円
2022年では、日本はオーストラリアにとって第2位の輸出国でした。オーストラリアの輸出において、日本が占める割合は全体の19.9%にも及びます。さらに、モノ・サービスの往復貿易総額は、872億豪ドル(2021年)にもなります。
主な貿易品目(日→豪)
日本からオーストラリアへの輸出品(日→豪)として挙げられるのは、乗用車、商用車、精製油、土木機械などです。自動車の類だけでも、58.4%を占めており、全体の半数以上となります。
主な貿易品目(豪→日)
対して、オーストラリアからの輸入品(豪→日本)として挙げられるのは、石炭、天然ガス、鉄鉱石、牛肉です。石炭と天然ガス、鉄鉱石を合わせた資源系の品目としては、全体の約75.4%を占め、約3/4となります。
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