農業で売上を上げる販路開拓、コツ・基礎知識を解説!

農業において、売り上げを上げるために、また、リスクを分散させるためには複数の販路を確保することが重要です。農業においては、天候や気候の変化などの要因によって作物の収穫量が変わることがあります。
そのため、市場への出荷のみや契約が1社のみだと、何らかの原因で売り上げが0になるリスクがあります。複数の販路を組み合わせることで、そのリスクを回避できます。

しかし、販路を闇雲に広げるのではなく、育てている野菜の種類や量、畑の面積、農家自身の性格や営業の得意・不得意などを考慮した上で、販路を見極めることが大切です。最終的には、どのような商品をどんな風に販売していきたいのか、経営を行う上での展望をしっかり定めた上で、販路を選択することが必要です。

本記事では、販路開拓のコツや基礎知識を解説します。

農業で販路開拓をする理由

農業ビジネスにおいて販路開拓の必要性は、経営の安定化や収益向上が挙げられます。販路開拓により、農家は生産した農産物を幅広い市場で販売することができ、売上高や利益を向上させることができます。
また、販路の多様化により、市場変動に対するリスク低減が期待できます。

多様な販路開拓の方法

  • 農産物直売所や農協を活用した販売
  • 専門の農業法人や企業と提携しての取引
  • インターネットを活用したECサイトでの販売
  • 飲食店や小売店との契約栽培・販売
  • 地域のイベントなどでの販売や自社ブランドの開発

支援サービスの活用

農業ビジネスにおける販路開拓は、様々な支援サービスを活用することで、効率的に行うことが可能です。自治体や農業団体が提供する販路開拓の支援事業や、専門のコンサルタントによる相談・アドバイスを受けることで、適切な方法を選択し、成功への道筋が見えてきます。

SNS活用による情報発信力の向上

SNSを活用して農業ビジネスの魅力を発信し、消費者と直接コミュニケーションを図ることで、販路拡大につながります。消費者は、農業ビジネスの現場で撮影した写真や動画、栽培・生産工程の様子を通じて、農産物や生産者に対して信頼感を持ち、購買意欲が高まります。

農業分野では市場の規模や消費者の嗜好、サプライチェーンの在り方が国によって大きく異なります。その違いを理解することで、販路拡大や輸出の可能性をより戦略的に検討できるようになります。
日本と海外における農業の違いについては以下の記事をご覧ください。

新規事業の創出による競争力の向上

農業ビジネスに新たな価値を提供することで、販路拡大が期待できます。例えば、農産物の加工品の開発や、観光農園としての営業、農業体験教室などのイベントを開催することで、消費者に新たな魅力を発信し、販路開拓に成功することができます。

 農業の販路開拓

では、農業の販路をいくつか紹介していきます。

販路① 「農協(JA)」への出荷

農協は、農家が加入する協同組合で、農作物や畜産物の集荷、出荷、販売などの業務を行っています。農家が作った作物を農協に出荷することで、流通網を利用し市場に出荷することができます。
また、農協は生産者に対し、販売先のマッチングや販路開拓支援などのサポートも行っているため、安定した販路を確保することができます。

販路② 「小売業者」への出荷

小売業者とは、スーパーマーケットや八百屋、スーパーマーケットなどを指します。小売業者は、日用品の売り場に加え、食品の売り場を持っていることが多く、多くの消費者に商品をアピールすることができます。
小売業者への出荷は、商品の品質管理や数量調整、価格設定にも細心の注意が必要ですが、安定した販路を確保することができます。

販路③ 「飲食店」への出荷

飲食店への出荷は、旅館、ホテル、レストラン、居酒屋など、多種多様な業種があります。高級レストランから、街角のラーメン店まで、様々な店舗で利用されている農産物があります。飲食店は、その店舗の特性に応じた商品のニーズがあるため、需要が安定していることが多く、価格も安定しています。

販路④ 「 直売所」への出荷

直売所は、農家が作った農産物を自ら販売する施設です。直売所では、新鮮な農産物をリーズナブルな価格で購入することができるため、近年注目を集めています。また、直売所での販売は、消費者からのフィードバックを直接受け取ることができ、品質の改善や商品の開発につながることがあります。

販路⑤ 「インターネット販売」

最近では、インターネットでの販売が注目されています。インターネットを利用したビジネスで販路開拓に成功している事例が沢山あります。ネットショップを開設することで、地域にとらわれず、全国のお客様に商品を届けることができます。
また、SNSを活用することで、商品の宣伝や販売促進を行うことができます。インターネットを利用した販売で成果を出すためには、知識をつけ正しい方法で販売する必要があります。

複数の販路をもつ際の注意点

複数の販路を持つ際の注意点としては、以下のようなことが挙げられます。

  1. 販路ごとに需要が異なることを理解し、品目や数量を調整する必要がある。
  2. 販路ごとに流通ルートや価格帯が異なるため、それに合わせた営業戦略を立てる必要がある。
  3. 販路ごとに取引形態が異なるため、契約内容をしっかり確認し、法的な問題やトラブルを回避するためにも、専門家に相談することが望ましい。
  4. 複数の販路を持つことで、生産量や収入が安定する反面、物流や在庫管理などの課題も発生するため、それに対応するための体制を整える必要がある。
  5. 販路ごとに異なる規格や品質基準があるため、それに合わせた品質管理や衛生管理を徹底する必要がある。

以上のように、複数の販路を持つ場合には、それぞれの特徴を理解し、適切な営業戦略や管理体制を構築することが重要です。

市場ニーズに合わせた商品開発

販路を開拓するためには、市場ニーズに合わせた商品開発が欠かせません。

市場ニーズとは、消費者が求める商品やサービスの要望や傾向のことを指し、市場ニーズに合った商品開発を行うことで需要を拡大することができます。
まずは、自分たちが栽培している農産物について、市場ニーズを調べることが大切です。例えば、近年は健康志向の高まりに伴い、無農薬や有機栽培などの安全性に重点を置いた農産物に対する需要が増えています。
また、忙しい現代人には手軽に調理できる食材が求められています。こうした市場ニーズを踏まえ、新たな商品開発を行うことが重要です。

包装パッケージの重要性

また、農業で売り上げを上げるためには、良質な製品を提供するだけでなく、それを適切な包装パッケージで提供することも重要です。包装パッケージは、商品の魅力や信頼性を高め、販売促進につながります。パッケージデザインの工夫の例としてこれらが挙げられます。

  • 商品の特徴を引き立たせる
  • 見やすく読みやすいデザインにする
  •  トレンドに合わせたデザインにする
  •  環境に優しいデザインにする

農業における販路開拓では、直売所、農協、小売店、飲食店、ECなど複数のチャネルを戦略的に組み合わせることで、天候リスクや販売不安定を軽減できます。
ただし、品目や規模、得意な営業スタイルに応じて販路を慎重に選定し、物流・在庫管理や品質規格の違いにも対応する仕組みが必要です。

農業での販路開拓におけるコツ

農業ビジネスで販路開拓を行う際には、多くの要素が重要となります。適切な戦略と効率的な手法を活用することにより、成功への道を切り開くことが可能です。

①ニーズの把握

まず、地域のニーズを把握し、生産する農産物を選ぶことが大切です。野菜や果物など、消費者の需要に応える商品を生産することで、市場での競争力が向上します。

②適切な価格設定

次に、品質と価格のバランスを考慮しましょう。消費者は安心して食品を購入できることを求めていますので、適切な価格設定と品質管理が重要です。

③支援制度の利用

さらに、補助金や支援制度を活用することも視野に入れてください。各地域や企業が提供している支援制度を利用することで、販路開拓の負担を軽減することが可能です。

販路開拓を進める際、まずは自社の経営状況に合わせた投資方法を確保し、初期費用の負担を軽減することが重要です。特に新規市場への挑戦では、資金的な後押しが成果を左右する場面も少なくありません。補助金活用については以下の記事をご覧ください。

④コミュニケーション

最後に、継続的な販路拡大のためのコミュニケーションも大切です。農家や問屋、消費者との良好な関係を築き、口コミや評判を広げることが重要となります。

まとめ

農業で収益を安定させるうえで、天候不順や市場価格の変動といった外部要因に依存しすぎないためには、販路を複数持つことが非常に重要です。JAや卸を中心とした出荷は流通の手間が少なく、安定した販売が見込める一方で、価格は市場環境に左右されやすく利益率も限定されます。
これに対して直売所やEC販売、飲食店との契約は、消費者との距離が近くブランド価値を伝えやすい一方、数量調整や納品スケジュールの管理、品質基準への対応など、農家自身の運用能力が問われます。

また、販路開拓は単に選択肢を増やすのではなく、作物の種類・収穫量・圃場の規模・人員体制・農家の営業適性といった内部要因から逆算し、適切なチャネルを組み合わせることが不可欠です。さらに物流・在庫管理・資材調達の負荷は販路拡大に比例して増えるため、補助金や自治体支援、専門家のアドバイスを活用し、負担を抑えながら長期的に育てる姿勢が求められます。

販路戦略は農業経営の根幹であり、将来の収益モデルや商品開発とも密接に関係するため、早い段階で一度専門家に相談することをおすすめします

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