日本と台湾は、歴史と文化の違いにもかかわらず、長い間、緊密な経済的パートナーシップを築いてきました。二国は、お互いの強みを活かし、協力して経済的な繁栄を築いています。
今回の記事では、台湾と日本の貿易関係に焦点を当て、台湾の最新貿易事情や台湾の貿易品目、貿易相手国、日本と台湾の貿易関係、台湾貿易のメリット・デメリットについて探ってみましょう。
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近年の台湾貿易・輸出の動向

日本の財務省(日本関税)による最新の貿易統計によると、2024年時点で日本にとって台湾は輸入相手国の中で第4位となり、これまでの順位を上回る過去最高の位置付けとなりました。
台湾側の経済当局は、この背景について、新型コロナウイルス被害の影響を比較的軽く抑え、生産と輸出の体制を迅速に再構築できた強みがあるとしています。他国がコロナ禍で輸出を大きく減少させた中でも、台湾企業は安定的かつ信頼性の高い供給源として日本への輸出を維持・拡大できたと評価されています。
さらに、台湾の産業界や輸出企業が日本市場のニーズを的確に捉え、高度な電子部品や半導体、機械部品といった製品を提供することで、両国の貿易構造がよりマッチするようになってきたとの分析も示されています。

台湾貿易・輸出の最新情報

輸出入額の動向
2025年上半期(1~6月)の台湾の貿易統計によれば、輸出額は前年同期比で25.9%増の2,833億米ドル、輸入額は20.5%増の2,275億米ドルとなり、いずれも過去最高を記録しました。
これにより、上半期の貿易収支は557億米ドルの黒字となり、前年同期比で54.3%の大幅増加となりました。
主要国・地域別の動向
輸出では、米国向けと中国・香港向けが大きく伸び、特に米国向けは前年比51.4%増と記録的な成長を遂げました。ASEAN向けも堅調で、輸出先の構成比では米国が27.9%、ASEANが19.6%、中国・香港が27.9%となり、輸出先の多元化が進展しています。
品目別の動向
輸出品目では、情報通信機器や映像音響機器関連製品が約1,019億米ドル(全体の36.0%、前年比63.0%増)、電子部品が987億米ドル(全体の34.8%、前年比22.2%増)と、両分野で輸出総額の70%以上を占めるまでに成長しました。
一方、鉱物製品や化学製品、プラスチック・ゴム製品は供給過剰の影響を受け、鉱物製品が1.4%減、化学製品が0.4%減、プラスチック・ゴム製品が6.0%減少しました。
今後の見通しとリスク
台湾財政部は、AIや高性能コンピューティング(HPC)、車載用電子機器といった新興分野の需要拡大が輸出を押し上げていると指摘しています。特にAI関連半導体の需要が伸びており、下半期も一定の勢いを維持する見込みです。
ただし、世界的なインフレ圧力や金利上昇、米中の技術競争、ロシア・ウクライナ情勢といった外部リスクには引き続き警戒が必要です。輸出成長率は下半期にかけて段階的に鈍化し、第3四半期は6.7%、第4四半期は2.6%程度に落ち着くと予測されています。
2025年上半期の台湾は、輸出入ともに記録的な伸びを示し、大幅な黒字を計上しました。
AIや電子部品を中心に需要が拡大する一方で、外部環境の不透明感は依然として残っており、今後の輸出動向を見極める上で慎重な姿勢が求められます。
台湾の主な貿易品目

これまで台湾の貿易の最新情報や動向を見てきましたが、全体の貿易品目にはどのようなものがあるのでしょうか。台湾の貿易品目は、電子部品、情報通信機器、鉱産品、一般機器、プラスチック・ゴム製品などが挙げられます。輸出入別の詳細については、以下で見てみましょう。
輸出
台湾の主要輸出品目の構成比は以下の通りです。
- 電子機器・部品:33.1%
- 情報通信機器・映像音響製品:10.8%
- 鉱産品や卑金属:8.8%
- プラスチック・ゴム製品:7.1%
これらで輸出総額の約60%を占めており、依然として電子関連分野が中心となっています。
輸入
台湾の主要輸入品目は以下の通りです。
- 石油・石油製品
- 半導体
- 天然ガス
- 鉄鋼
- コンピュータ
2024年の総輸入額は約3,940億米ドルで、前年比12.2%の増加となりました。鉱産品や化学製品も一定の割合を占めており、電子中間財や資源・原材料への依存が続いています。
台湾の輸出は電子部品や通信機器関連製品が全体の約44%を占め、引き続き貿易の主軸を担っています。一方、輸入はエネルギーや原材料、高度技術財に依存しており、製造業を支えるサプライチェーンの構造が鮮明です。

台湾の主な貿易相手国

これまで台湾の主な貿易品目に関して見てきましたが、台湾の貿易相手国はどのような国があるのでしょうか。主な貿易相手国は、皆様のご想像の通り、アメリカや中国などが挙げられます。輸出入別の詳細については、以下で見てみましょう。
輸出

台湾の主な輸出相手国は、中国、ASEAN10、北米、香港、欧州、日本などが挙げられます。全体のシェアのうち、中国は約1/4、日本は約7%を占めています。
輸入

台湾の主な輸入相手国は、中国、日本、ASEAN10、欧州、北米などが挙げられます。全体のシェアのうち、中国が19.6%、日本が12.8%となっています。
日本と台湾の貿易について

過去10年における日本の輸入相手国における台湾の順位を振り返ると、2011年が12位、2018年が7位、2019年が6位、2020年が4位、そして最新の2023年においても日本にとって輸入相手国の第4位の地位を維持しています。
台湾側は、新型コロナウイルス感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻、米中の技術対立などが世界経済の見通しに関する不確実性を高める要因であると指摘しています。
2023年の日台二国間貿易額は約757億米ドルとなり、そのうち日本から台湾への輸出が約443億米ドル、台湾から日本への輸出が約314億米ドルでした。
日本は台湾にとって主要な貿易相手国のひとつであり、台湾は日本にとって輸入相手国第4位の位置を占めています。
主な貿易品目(台湾→日本)

それでは、日本は台湾とどのような貿易を行っているのでしょうか。
日本の対台湾輸入品として挙げられるのは、電子部品、情報通信機器、卑金属および同製品、プラスチック・ゴムおよび同製品、化学工業品などです。
主な貿易品目(日本→台湾)

日本の対台湾輸出品として挙げられるのは、電子部品、一般機器、化学工業品、卑金属および同製品、精密・光学機器などです。
輸出品目は比較的似ていますが、どちらも機械類が大きな割合を占めていることが分かります。
台湾貿易のメリット

台湾は近年、多くの日本企業が輸出を行う上で重要な市場となっております。その理由として、以下に挙げるようなメリットが考えられます。
①地理的な近さ
台湾は日本からわずか約2,000キロメートルしか離れておらず、航空および海路による輸送が非常に利便性が高く、迅速な輸出が可能となっています。また、物流コストの低減も見込まれます。
②文化的な親和性
歴史的な経緯から、台湾と日本は似た文化や価値観を共有しております。これにより、日本から輸出される製品やサービスが台湾人の消費者にとって馴染みやすく、受け入れられやすいと言えます。
③高い消費者ニーズ
台湾では、日本製品への信頼感や憧れが非常に高く、特に化粧品や食品、医療機器などの分野においては、日本製品へのニーズが高まっています。これにより、日本企業は台湾市場において競争力を保ちやすくなっています。
④台湾経済の発展
台湾は近年、電子産業やIT産業の発展が著しく、国内経済の発展を遂げています。それに伴い、国民の所得が増加し、消費力も向上しており、日本企業が輸出する製品やサービスへの需要も高まっています。
⑤台湾市場の規模
台湾の人口は約2,370万人となっており、これにより十分な市場規模が確保されています。また、台湾経済の成長が続くことで、今後も市場規模の継続的な拡大が見込まれます。
⑥投資環境の整備
台湾政府は、外国企業の進出を歓迎し、投資環境を整備しています。これにより、日本企業は台湾への進出や輸出をスムーズに行うことが可能となり、ビジネスチャンスを広げることができます。
台湾貿易の注意点

台湾との貿易は、近年ますます重要な役割を果たしており、多くの企業が台湾市場への参入を検討しています。ただし、台湾との貿易にはいくつかの注意点があり、成功するためにはこれらの要素に十分に対処する必要があります。
このセクションでは、台湾との貿易に関する注意点をいくつか紹介し、ビジネスの成功に役立てるための情報を提供します。
①法規制の把握
まず第一に、台湾との貿易を行う際には、関税や法規制に関する正確な情報を入手することが重要です。台湾は通常、輸入品に対して関税が課されるため、輸出入に関する費用や手続きを正確に把握することが必要です。また、台湾の法規制は独自のものが多く、事前にリサーチを行い、遵守すべき法律や規制を把握しておくことが重要です。
②需要と供給のバランス
次に、台湾市場における需要と供給のバランスを理解することが重要です。台湾は、多様な産業が発展しており、その需要に応じて製品やサービスを提供することが求められます。したがって、台湾市場に参入する際には、競合他社との差別化を図るとともに、市場のニーズに応える適切な商品やサービスを展開することが重要です。
③現地のパートナー探し
また、台湾との貿易を行う際には、地元のビジネスパートナーと協力することが有益です。台湾の文化や言語、商慣行は独自のものが多く、これらを理解し、適切な対応ができる現地のパートナーが重要な役割を果たします。このようなパートナーを見つけることで、円滑なビジネス展開が可能となり、市場開拓の成功につながります。
④知的財産権の保護
さらに、台湾における知的財産権の保護も重要な要素です。海外で事業を展開する際には、知的財産権の侵害に対処するための適切な手続きや対策が求められます。台湾での知的財産権の登録や管理を適切に行い、早期に問題に対処することが望ましいです。
⑤政治的リスク
最後に、台湾の政治的な状況にも注意を払うことが重要です。台湾の国際情勢は複雑であり、この影響を受ける可能性があります。そのため、台湾との貿易を行う際には、政治的なリスクも考慮し、状況変化に適切に対応できる柔軟性を持つことが重要です。