アメリカのFDA認証・FDA登録とは?違いと必要な製品、取得の流れを解説【2026年】

日本語で「FDA認証」と呼ばれる手続きには、施設の登録、製品の届出、FDAによる承認やクリアランスなど、性質の異なる制度が含まれています。ここでは、用語ごとの意味とFDAによる審査の有無を整理します。

FDA認証・FDA登録・FDA承認の違い(早見表)

製品や施設一般を対象とした「FDA認証」という制度はない

FDA(アメリカ食品医薬品局)は、公式ページで医療機器に「FDA登録」「FDA認証」という区分はないと説明しています。施設登録と製品リスティングの結果としてデータベースに記載されても、それはFDAが施設や医療機器を承認・クリアランス・認可したことを意味しません。

FDAは食品施設にも医療機器施設にも登録証明書を発行しておらず、製品や施設一般を対象とした「FDA認証」という制度はありません。食品施設については、民間企業が発行する登録証明書もFDAは認めていません。

日本語の「FDA認証を取得する」は、製品カテゴリによって、施設登録、製品リスティング、承認、クリアランスのいずれか、またはその組み合わせを指します。「FDA登録済み」であることは、FDAが製品の安全性や有効性を確認したことを示すものではありません。

用語別の早見表

用語ごとの意味、FDAによる審査の有無、主な対象は次の表のとおりです。

用語意味FDAの審査主な対象
FDA登録(施設登録)製造・加工・包装・保管などを行う施設の情報をFDAに登録する制度。登録番号が付与されるなし(施設情報の登録)食品施設、医療機器の製造施設、化粧品施設
製品リスティング販売する製品の情報をFDAに届け出る制度なし(届出)医療機器、化粧品
事前通知(Prior Notice)輸入食品がアメリカの到着港に着く前に、FDAへ電子的に通知する制度なし(通知が不十分な食品は拒否・留置の対象)輸入される食品(動物用飼料を含む)
FDA承認(Approval)FDAが申請内容を審査し、販売前に承認する制度あり新薬・生物学的製剤、クラスIII医療機器(PMA)、食品添加物、色素添加物
FDAクリアランス(510(k))合法的に販売されている機器との実質的同等性を、市販前届出でFDAが確認する制度あり多くのクラスII医療機器

FDAの公式ページ「Is It Really ‘FDA Approved’?」によると、FDAには食品そのものを販売前に承認する制度がありません。一方で、食品添加物と色素添加物は、使用前にFDAの承認を受ける対象です。新薬と生物学的製剤も販売前の承認が必要です。化粧品は、色素添加物を除いて、製品や成分の事前承認が不要です。

製品カテゴリ別:FDA認証・FDA登録で何が必要か(食品・医療機器・その他)

FDA認証・FDA登録で必要な手続きは、製品が食品、医療機器、化粧品、医薬品のどれに当たるかで決まります。最初に次の表で全体像を確認し、続いてカテゴリごとの要件を確認してください。

カテゴリ施設登録製品リスティング販売前の審査
食品・飲料・サプリメント必要製品単位の登録はなし(輸入時に事前通知)食品そのものの承認はなし(食品添加物・色素添加物は承認制)
医療機器必要必要クラスにより、510(k)クリアランス、PMA承認、または510(k)免除
化粧品必要必要製品・成分の承認はなし(色素添加物は承認制)

食品・飲料・サプリメント

食品、飲料、サプリメントを製造、加工、包装、保管する国内外の施設は、FDAへの食品施設登録が必要です。登録時には、FDAが認める固有施設識別子(UFI)を提出します。現在、FDAはDUNS番号(企業識別番号)をUFIとして認めています。外国施設は、FDAとの連絡窓口になる米国代理人(U.S. Agent)の指定も必要です。

食品をアメリカへ輸入する際は、貨物が到着港に着く前に、事前通知(Prior Notice)をFDAへ電子的に提出します。事前通知が不十分な食品は、FDAの拒否の対象となり、留置される場合があります。

輸入者には、ジェトロ(日本貿易振興機構)が解説する外国供給業者検証プログラム(FSVP)に基づき、輸入する食品の外国供給業者が米国の食品安全要件を満たしているかを検証する責任があります。

医療機器

医療機器は、リスクに応じてクラスI〜IIIに分類されます。最もリスクの高いクラスIIIの機器は、一般に市販前承認申請(PMA)によるFDAの承認が必要です。リスクが中程度の機器の多くは、市販前届出(510(k))でFDAのクリアランスを受けます。510(k)が免除される機器もあります。

クリアランスや承認とは別に、製造施設の設立登録と、機器のリスティングが必要です。設立登録は毎年更新し、登録料がかかります。手数料と審査期間は、次の見出しで整理します。

製品が医療機器に当たるか、どのクラスに分類されるかによって、必要な手続きと費用は大きく変わります。FDAの医療機器データベースで、類似機器の分類とクリアランスの有無を確認できます。

その他(化粧品・医薬品・動物用製品など)

化粧品は、2022年化粧品規制近代化法(MoCRA)に基づき、製造・加工施設の登録と、化粧品ごとの製品リスティングが義務になっています。FDAは2024年7月1日から執行を開始しました(FDAガイダンス、Wiley法律事務所の解説)。従来の自主的な化粧品登録制度は、2023年3月27日に受付を終了しています。外国施設は、米国代理人の指定が必要です。

新薬と生物学的製剤は、販売前にFDAの承認が必要です。FDAは製品を自ら開発・試験せず、申請者が提出したデータを審査します。医薬品として規制される製品は個別の承認手続きが必要になるため、製品が化粧品や食品ではなく医薬品に当たるかを、事前に確認する必要があります。

FDAは、動物用医薬品、たばこ製品、放射線を出す電子製品なども規制しています。動物用食品(ペットフードを含む)には製品の販売前承認がなく、使用する食品添加物が承認の対象です。

FDA認証・FDA登録の取得の流れと期間の目安

手続きの内容はカテゴリで異なりますが、確認する順序は共通しています。ここでは、共通する流れと、FDAが公表している期限・費用・審査期間の目安を整理します。

共通する取得の流れ

食品、医療機器、化粧品に共通する流れは、次の6段階です。

  1. 自社製品がFDAのどの分類(食品、医療機器、化粧品、医薬品など)に当たるかを確認する
  2. 必要な制度(施設登録、製品リスティング、510(k)・PMA・医薬品の承認、事前通知)を特定する
  3. 外国施設の場合は米国代理人を指定し、食品の施設登録ではDUNS番号を用意する
  4. FDAの電子システムで、施設登録と製品リスティングを提出する(食品はFDA Industry Systems、化粧品はCosmetics Direct、医療機器はFURLSの登録・リスティング機能)
  5. 承認やクリアランスが必要な製品は、申請書類と手数料をFDAへ提出し、審査を受ける
  6. 登録後は、更新期限を管理する

食品施設の登録について、FDAは民間の登録代行業者の利用を義務付けていません。米国代理人に支払う費用は、施設と代理人の間で決まります。

期限・費用・審査期間の目安

FDAが公表している主な期限、費用、審査期間は、次のとおりです。2026年10月時点の情報で、制度や手数料は改正されるため、申請前にFDAの公式ページで最新の内容を確認してください。

項目内容出典
食品施設登録の更新2年ごと(偶数年の10月1日〜12月31日)。2026年の期限は12月31日で、期限までに更新しない施設の登録は失効扱い。登録・更新の費用は無料FDA、ジェトロ
食品の事前通知到着の8時間前(船便)、4時間前(航空・鉄道)、2時間前(陸路)までに提出連邦官報(FDA最終規則)
医療機器の設立登録料2027会計年度(2026年10月1日〜2027年9月30日)は1施設あたり13,785ドル(毎年)連邦官報(2026年7月30日)
510(k)の申請料2027会計年度は標準28,653ドル、FDAが認めた小規模事業者は7,163ドル連邦官報(2026年7月30日)
510(k)の審査期間FDAの審査目標は90 FDA日。追加情報の回答を待つ期間は含まれず、総日数はこれより長くなる場合があるFDA
化粧品の登録・リスティング施設登録は2年ごと、製品リスティングは毎年更新。手数料はなしFDAガイダンス、Wiley法律事務所
PMA・医薬品承認の審査期間(要確認:FDA公式の審査目標日数と手数料を確認)(要確認)

表の費用はFDAに支払う手数料です。米国代理人、試験、書類作成、コンサルタントの費用は含まれません。承認やクリアランスが必要な製品では、試験データの準備に要する期間が、FDAの審査期間とは別にかかります。

FDA認証・FDA登録のまとめ

「FDA認証」という名称の制度はなく、日本語でそう呼ばれる内容は、施設登録、製品リスティング、クリアランス、承認のいずれか、またはその組み合わせです。FDAが製品を審査するのはクリアランスと承認だけで、FDA登録済みであることは、FDAが製品を承認したことを意味しません。

FDA認証・FDA登録で必要な手続きは、製品が食品、医療機器、化粧品、医薬品のどれに当たるかで決まります。食品は施設登録と事前通知、医療機器は設立登録とリスティングに加えて510(k)またはPMA、化粧品はMoCRAに基づく施設登録と製品リスティングが必要です。食品施設登録の更新期限は2026年12月31日で、対象の施設は期限までに更新する必要があります。

手数料や制度は改正されるため、申請前にFDAの公式ページで最新の内容を確認してください。自社製品の分類が分からない場合は、輸入者や専門家に相談し、必要な手続きを特定することから始めてください。

貿易ドットコム

メールマガジン

「貿易ドットコム」が厳選した海外ビジネス・貿易トレンドを、月2回お届け。
実務に役立つニュースや最新制度、注目国・地域の動向をメールでチェック。

メルマガ登録はこちら
メールマガジン