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注目度の高い新興国市場
昨今、成長が著しい新興国市場ですが、まだ規模は小さく不安要素が多いのが現状です。
しかし、人口や資金の増加による経済成長が目覚ましいのは事実で、新興国は市場ごとに傾向を把握することの重要性が増しています。
この先、海外進出を考えている方にむけて新興国市場について紹介していきます。
新興国とは何か
新興国とは、人口増加が著しく経済成長が期待される国のことです。ブラジル、ロシア、インド、中国、の頭文字を取ったBRICs、ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの頭文字を取ったVISTAなどがあります。これらの国は、成長率の大きさや多様性に富んでいます。
人口増加とともに、消費の拡大し、多様性に富んでいるため国内外の人や商品の流入が市場の発達が見込めます。
なぜ新興国への進出が注目を集めているのか
前述したとおり、特筆すべきは高い成長性にあります。2039年ごろにBRICsは米日独仏英伊の6ヶ国のGDPを上回る予想です。
また、国土の広さや天然資源の豊富さ、労働力の大きさなどがあげられます。国内情勢など懸念点はありますが、それ以上に得られる利益は大きいでしょう。
新興国へビジネス進出する際のポイント
新興国は、高い成長力、人やものの流通性の拡大が見込めるなどのメリットはありますが、同時に、いくつかのビジネスリスクも存在します。
ビジネスリスクを把握
新興国は、海外からの影響によって市場や経済のリスクが変動しやすくなっています。
例えば、大企業から多額の資金の流入出があった場合大きく変動します。国内の投資家が少なく、海外の投資家が多くの資本を握っているため、自国で経済や資金を管理しきれない場合があります。
もう一つのリスクとしてあげられるのが国内情勢が不安定なことです。ミャンマー政権が軍に乗っ取られてしまったり、パキスタンの空爆などがあります。こういった、政治に対する不満によってデモが頻発すると経済活動に影響が出る恐れがあります。
マーケティング戦略の熟考
新興国に進出するときに欠かせないのがマーケティングです。
顧客は海外の異なる文化で暮らしてきた人々です。日本人とは全く異なった考え方をもっています。必要としているものやサービスも異なってくるでしょう。そのため、海外でも通用する戦略をたてるひつようがあります。現地の人の意見を直接ヒアリングするなど徹底的な調査が必要です。

新興国ビジネスの魅力
新興国は高い成長性と豊富な多様性によって、新たなビジネスチャンスを獲得するには最適な国となっています。
利益の確保
新興国市場で利益を確保できるのは大きな魅力です。はじめは市場規模も小さく、国内情勢のリスクもありますが、市場の成長とともに拡大していきます。
新興国は他の国から資本や人が集まりやすく競合も少ないため、低コストで大きな利益を上げることができます。
コストの削減
新興国の特徴として人口の増加と豊富な天然資源があります。なので、人件費や原材料費のコストを削減することができます。新興国の人件費は先進国と比べて安いですし、人口増加によって労働力の確保に困ることはありません。現地の優秀な人材確保も重要です。

まとめ
新興国市場は高い成長性を有し、人口増加や資源豊富さ、国内外からの資金流入による市場拡大が期待できる点が最大の魅力です。一方で、資金や市場構造が脆弱なため、大口の海外資本の流入や撤退によって市場環境が急変するリスクがあるほか、政治情勢の不安定さも大きな懸念となります。
たとえば、政権交代やデモ、治安悪化などが経済活動に深刻な影響を与えるケースも見られます。そのため、新興国へ進出する際は、これらの成長機会とリスクを併せて見極め、慎重に戦略を立てることが重要です。実務に入る前には、一度専門家に相談することをおすすめします。