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定義

貿易におけるCFRは、Cost and Freightの略で、売り手が貨物のコストと輸送費用を負担する取引条件を示します。CFRは国際商業取引においてよく使用されるIncoterms(国際商取引条件)のひとつで、運賃込み条件のことです。
具体的には、CFRでは、FOB価格(本船積み込みまでの価格)に、仕向け地までの運賃(Freight)を含んだ費用を売り手(輸出者)が負担します。
また、1990年のインコタームズ改正で、C&FからCFRへと略称が変更されましたが、現在でもC&Fの表記が依然として使われることがあります。
さらに、以下のインコタームズ(Incoterms)に関する記事もぜひチェックしてみてください。国際取引で非常に重要なインコタームズを分かりやすく簡単に解説しています。

比較

CFRと似たインコタームズにCIF(Cost, Insurance, and Freight)がありますが、主な違いは保険負担に関する部分です。CFRの場合、保険の手配は必須ではありませんが、CIFの場合、売り手が輸送中の貨物保険を手配し、保険料を負担する責任があります。
輸出者の負担という視点で他のFOB、CIFといった取引条件と比較した際、以下の図のようになります。
【FOB】 | Cost(国内運送費等) | – | – |
【CFR】 | Cost(国内運送費等) | – | Freight(運賃) |
【CIF】 | Cost(国内運送費等) | Insurance(保険料) | Freight(運賃) |
貿易を行う際には、自社の取引状況に合ったインコタームズを選択し、正確な情報を把握することが重要です。適切なインコタームズを使用することで、リスク管理やコスト最適化が可能となり、スムーズな国際取引を実現できます。
CFR(Cost and Freight)は、売り手が商品の国内コスト+輸送費を負担し、仕向け港まで運ぶ条件であり、輸出者のコストと責任範囲が明確でございます。

まとめ
本記事では、CFR(Cost and Freight)の定義を明確にし、輸出者がどこまでの費用と責任を負うのかを整理しております。具体的には、FOB(本船積み込みまで)価格に加えて、仕向け地までの運賃を売り手が負担する点がCFRの特徴です。
CIFと比較して保険負担が売り手側にないことから、コスト・リスクの分担が異なるため、どちらの条件を選ぶかは取引内容次第でございます。輸出取引におけるIncotermsの正しい選択は、コスト最適化およびリスク管理に直結しますので、自社の取引条件や交渉力を踏まえて判断することが望ましいです。
実際にCFRを採用する/交渉する際には、専門家にご相談されることをおすすめいたします。
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