サウジアラビアは日本にとって重要な貿易相手国です。日本にとって石油で有名なサウジアラビアとの貿易は輸入が多いものですが、実は輸出も6番目に入っており、お互いに需要があるといえます。
ここではサウジアラビアへの輸出とその注意点について説明いたします。
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サウジアラビアと日本の貿易
日本はサウジアラビアから多くの石油を輸入しています。その反対に日本は自動車(57.5%)、機械類(14.8%)、鉄鋼(8.6%)、自動車部品(4.2%)、タイヤ・チューブ(3.3%)(2020年度)などを輸出しています。
またサウジアラビアは経済的にも若年層への雇用機会の増大、石油依存からの脱却を重要課題としており、サウジ人労働力の積極的利用(サウダイゼーション)や石油部門以外の部門の発展に力を注いでいます。
2016年4月、石油依存からの脱却と産業多角化を目指す「サウジ・ビジョン2030」が発表され、観光振興や女性の労働参画推進等を含む包括的な社会経済改革の方針が示されました。これからは人材育成などに力が入れられる予定です。
サウジアラビアは石油輸入の一大供給国であると同時に、日本からの自動車や食品の重要な輸出市場です。人気商品や文化的背景を理解しつつ、規制や宗教的ルールを押さえることが成功のカギとなります。

サウジアラビアで人気な日本の商品
サウジアラビアでも日本の商品はとても人気です。例えば、もちアイスクリーム、寿司、スイーツ、パン、パンケーキ、アニメ、抹茶など、定番でありながら中東ではなかなか手に入らないものが人気であるといえます。
逆に着物などはすでに出回ってきているため、あまり人気ではないとの報告もあります。
サウジアラビアへの輸出での注意点
サウジアラビアには輸出における規制があります。以下のサウジアラビア政府輸入禁止品目を避けて輸出するようにしましょう。
サウジアラビア政府輸入禁止品目
武器、けしの実、大麻、コカの葉、ハシシ、コカインなどの麻薬、アルコール、蒸留設備、豚・豚肉・豚製品、馬肉、かえる肉、メース(ナツメグ由来の香辛料)、古着、アスベスト、古タイヤ、土、省エネエアコンなど。さらに、使用可能電圧が110~120Vのみの電気製品・機器の輸入および国内製造が禁止。
また許可が必要になるものもあります。

輸入規制品目(輸入許可制)
植物種、生きている動物、肉(生鮮)、肉(冷凍)、本、雑誌、映画テープ、宗教本・テープ、化学品、危険品、医薬品、無線機、馬、アルコールを含んだもの(香料)、蒸留所設備、リトレッドまたは中古タイヤ、中古衣類、特定の彫刻など。なお、5年以上経過した車両、中古車(パトカー、タクシー、レンタカー)の輸入は許可していない。
また、サウジアラビアはイスラム教が主流のため、ハラールであるかどうかを確認する必要があります。豚肉はもちろん、ハラールのルールに従った処理がなされていない食品は輸出しても需要がないでしょう。
まとめ
サウジアラビアとの貿易は石油輸入に依存しがちですが、日本製の自動車や機械を中心とした輸出も存在感を高めています。食品やアニメ文化など日本独自の商品も現地で人気を集める一方、規制やハラール認証など輸出に伴う条件を正しく理解することが重要です。
さらに、サウジ・ビジョン2030の進展により非石油分野の需要が広がり、日本企業にとって新たな市場拡大のチャンスが期待されます。
こうした機会を確実に捉えるためには、専門家に相談することをおすすめします。
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