ヨーロッパの市場調査の基本、押さえておきたいポイント

 

目次

    最近では、グローバル化の進展に伴い、ヨーロッパやアメリカへの進出を考える企業が増えてきています。もし海外でのビジネス展開を検討している場合は、最初に市場調査やマーケティングリサーチの実施を検討しましょう。

    特に海外でのビジネス展開には、国内とは異なる市場環境に注意を払う必要があります。リスクを軽減するためには、市場調査やマーケティングリサーチで得られたデータを参考にすることが非常に重要です。

    海外へのビジネス展開の前段階として

    海外調査によって、特定の国や地域の市場環境、競合他社の数、参入の障壁となる要素など、さまざまな情報を把握することができます。これらの調査結果は、対象となる国や地域への参入の可否や方法を検討する際に参考になります。

    また、海外での競争に勝ち残るためには、競合他社に対するベンチマーク調査も有益です。具体的には、既に外国で成功している企業の成功要因を明らかにすることが、海外進出の戦略策定に役立ちます。よく言われる言葉として、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という格言があります。競合他社の現状把握をすると同時に、自社の現状把握も重要です。

    海外市場調査で明らかにするべきポイント6つ

    海外進出をするにあたって、大きく分けて「市場規模」「顧客ニーズ」「現地競合企業」「商習慣・規制・法律」「パートナー企業」「自社」の6つを調査する必要があります。

    海外進出をするべきかどうか、どのような戦略を練るべきか、自社事業の市場価値などを明らかにするためにも、上記の項目は最低限調査するべきでしょう。

    それでは、それぞれのポイントの具体的な中身を見ていきましょう。

    市場規模

    進出を検討している国や地域の市場規模を分析し、市場のポテンシャルや競争率を評価します。また、日本国内や他の地域との比較も行い、売上予測を立てることができます。

    顧客のニーズ

    海外では文化や習慣が異なるため、予想しているユーザー層や顧客のニーズが変わることがあります。参入カテゴリや類似品の使用方法やニーズを分析する事で、販売や訴求方法を計画しましょう。

    競合企業

     競合他社の売上高、販売ネットワーク、生産体制、組織構成、取引先などを把握し、自社の立ち位置や販売戦略を立てるための情報を収集します。競合他社の商品ラインナップや販売方法の把握をする事で、ターゲットの決定にも役立ちます。

    規制・法律・商習慣

    進出国や地域の規制、法律、商慣習を調査します。国や地域ごとに異なる規制や規制対象となる商品の情報を把握し、進出や販売戦略に反映させる必要があります。

    特に注意すべき点は地域によって規制や法律が異なる場合です。

    たとえば、アメリカでは州ごとに、中国では台湾や香港など、地域ごとに情報を把握する必要があります。国全体の情報の把握も大切ですが、同時に販売や進出を検討する地域に焦点を絞り、より詳細な調査を行う必要があります。

    パートナー企業

    進出先でのパートナー企業(弁護士、税理士、メーカー、物流業者など)を把握する事も大切です。

    更に、現地弁護士や税理士、メーカー等の中でも、国際業務の経験やノウハウを持つ適切な良いパートナーを見つけることが、成功への鍵となります。

    自社

    自社の強みや弱みを再確認することです。自社の強み・弱みをシッカリと把握する事で、自社が提供する商品やサービスの強みに加えて、蓄積したノウハウを活かすべきポイントが見えてきます。たとえば、日本で「安全性」「高品質」を強みとして販売しているならば、発展途上国を中心とした海外では日本以上に「安全性」「高品質」を売りに市場拡大を図れるでしょう。

    一方で、自社の弱点となる要素として、新商品開発力、営業力、決断スピードなどを分析し可視化することで、事前に対策を練り、失敗リスクを減らす事も可能でしょう。

    海外市場の調査手段4つ

    自社調査

    自社による現地調査は、調査実施にかかるコストの低さが何よりも魅力的です。さらに、自社の強みや弱み、ビジネスの方向性を把握した上で、徹底的に調査を行うことで、現地の声を直接的にビジネス戦略に結び付けることが可能です。ただし、調査項目や調査方法を明確にしていないと、時間とコストを無駄にする可能性があるため、注意が必要です。

    支援機関の利用

    海外進出を促進するための公的な支援機関を活用する方法です。ジェトロ(日本貿易振興機構)、中小企業基盤整備機構、商工会・商工会議所、政府系金融機関、地方自治体などが支援機関の一例です。これらの機関は市場調査や法制度・商習慣に関する情報提供だけでなく、販売先や提携先の紹介、マーケティング支援なども行っています。したがって、自社のニーズや調査内容、予算に合わせて適切な機関を選ぶことが重要です。

    民間の調査機関の利用

    海外展開を支援するために民間の調査会社を利用する方法です。調査会社は国や地域、業界、専門性、調査方法、実績などによってそれぞれ異なる強みを持っています。調査会社を選ぶ際には、単に実績や経験が豊富かどうかだけでなく、進出先の文化や歴史について深い知識や理解を有しているかも重要です。さらに、国内外の調査会社や、日本語や現地語での調査報告、調査手法、データ解析などの選択肢も存在しますので、予算に合わせて適切な調査会社を選ぶことが必要です。

    現地での直接依頼

    進出する国や地域に在住する外国人による現地店舗や商品の写真撮影や情報提供、そしてアンケート調査を行う方法です。彼らが現地に住んでいるため、情報収集が容易であり、インターネットを通じて依頼や報告を行うことで、大幅にコストを削減することができます。

    まとめ

    ヨーロッパ市場は競争が激しく、多くの国内外企業が参入している事に加え、国や地域ごとに応じて消費者のニーズや嗜好が大きく異なっています。このことから、競合他社の市場占有率や戦略、商品の特徴を把握する必要があります。

    しっかりと市場調査・マーケティングリサーチを行い、自社の差別化ポイントを見つけていきましょう。

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